追記
この記事、なんと月に1,000人ほどの方がご覧なられているようです。 法人を辞めたい人が こんなにも多いとは…。
公認会計士・税理士の藤沼です。
監査法人でのストレスが限界を迎え、監査法人を辞めました。
本記事では、私や周りの会計士が「監査法人を辞めたい…」と思った理由を紹介し、解決策をご紹介します。
結論としては、「さっさと辞めるべき」です。
本記事の内容
- 監査法人を辞めたいと思った理由
- 『もう限界…。』体を壊す前に、知ってほしい事
目次
監査法人を辞めたいと感じた理由: 私のケース

初めに、少しだけ私自身のお話です。
私がふと「監査法人を辞めたい」と思ったのは、会計士登録を終え、シニアスタッフに昇格した頃でした。
転職を意識した大きな理由は、次のとおりです。
- 人間関係でストレスが溜まる
- 激務でつらい
- 仕事がつまらない
正直、非常にネガティブな理由でした。
「スキルアップしたい!」という気持ちも多少ありましたが、ネガティブな理由の方が強かったです。
もう少し掘り下げて、過去の感情をお話します。
人間関係でストレスが溜まる
一番の理由が「人間関係のストレス」でした。
クライアント・上司からのストレスが、嫌で嫌で仕方なかったのです。
クライアントは報酬をくれる人たちなので、当然、優しく・ていねいに対応しなければなりません。
また、変な上司に目を付けられてしまい、パワハラを受けたこともありました。
監査法人を辞めていった同期の話を聞いてみても、人間関係が一番キツいと感じていた人が一番多かったです。
激務
ストレスが溜まる上に、かなりのハードワークでした。
『寿命を削って仕事してるのではないか…?』と感じたことがあります。
絶対的に正しいのは『私たちは仕事のために生きているのではない』という事。
これに気付いたので、私は監査法人を辞めました。
仕事がつまらない
正直、「監査」は面白い仕事ではありません。
でも、「監査自体が面白いか?」と聞かれたら、面白くはないはず。
監査を頑張れば頑張るほど、クライアントからは嫌な顔をされますし、上司からもさほど評価されにくいです。
監査のスキルは監査法人でしか使わないので、転職したら潰しが利きません。
なので私は「さっさと辞めた方が良い」と気付きました。
監査法人を辞めたい理由: 他者事例

次に、他の会計士たちが監査法人を辞めた理由をまとめました。(参考:OpenWork)
激務
一番多い理由でした。
働き方改革により改善傾向にありますが、繁忙期は依然として忙しいとの事。
辞めた方の口コミで多かったのは、次の5つです。
辞めた人たちの口コミ
- 繁忙期はプライベートがなく、憂鬱になる
- 若手は日程を調整できず忙しい
- 所属チームによっては、死ぬほど忙しい
- 能力の高い人に業務が集中し、激務化する
- プレッシャーがキツい
年々残業時間が減少傾向にありますが、監査品質は向上させる方向にあり、またすぐに残業時間が増え始めるのではと感じます。
監査法人は、何度も同じことを繰り返しますからね。
業務がつまらない
こちらも退職理由として多かったです。
辞めた人たちの口コミ
- 大量の文書化作業に飽きてきた
- 結局、監査は考える余地がなく、やらされているだけ
- パートナーのさじ加減で方針が決まるため、いつも振り回される
私のいたEYでもそうでしたが、「監査手続」は基本的にファームの方針で決定されます。
そのため、自分で手続きを考える余地がほとんどないのです。
また、監基報を完璧に守りますから、形式が重視され、大量の文書化作業が発生します。
(文書化業務は、はっきり言って何のスキルアップにもなりませんよね。)
そして、自分の「感覚」だけでチームを動かすパートナーが一定数おり、下の意見が通らない事も多いです。
感謝されない
監査法人にいる以上、仕方のない部分ではありますが、『やりがいの無さ』を理由に監査法人を辞める人も多いです。
辞めた人たちの口コミ
- 監査という業務の性質上、「感謝」される機会がなく、面白味を感じられない
- 監査を頑張るほど、クライアントからは嫌われる
監査法人での業務は、事実やりがいの少ない仕事です。
このような理由で、例えばコンサルに転職する会計士は多いです。
監査以外の経験ができない
シニア以上になると、この退職理由が増える傾向にありました。
辞めた人たちの口コミ
- せっかく「公認会計士資格」を得たのに、「監査」しかできないのは損
- 監査以外のスキルが身に着かず、成長に限界がある
- 特定の業種には詳しくなるものの、それ以外の成長が無い
定年まで監査法人で勤め上げる人は、ほとんどいませんよね。
その理由は『監査経験は、つぶしが効かないから』です。
特に30代の方は、この先30年もの間、会計人として仕事を続けることになります。
「いつかは転職するけど、今の監査経験って次の会社で評価されるのかな?」
そう感じ、現状に危機感を抱く方は多いです。
実は、この期間を過ぎると「監査しか経験できていない」との評価により、価値が低下し始めます。
同じ会計士歴8年の人でも、「監査を8年やった人」と「監査を4年、M&Aを4年やった人」とでは、明らかに後者の方が価値は高いですよね。
『監査法人を辞めたい人』のストレスの軽減法

監査法人でストレスを抱えた結果、体を壊してしまう方がおられます。
もし次のいずれかに該当した場合、身体が危険信号を示しています。
危険信号のサイン
- 寝付きづらくなった・睡眠不足
- 朝起きても疲れが取れず、身体が重い
- 急激な体重の増減
- 頭痛、めまい、吐き気など、原因不明の体調不良
このような症状がある場合、仕事が原因である可能性が非常に高いです。
これらは体力的なものではなく、精神的なストレスから来る危険信号なので。
ただし、ストレスは『解消』すれば軽減できるので、解決策も立てやすいです。
ここでは例として、ストレス解消法をご紹介します。
ストレス解消の例
- ジョギング等の軽い運動
- 深呼吸
- 仕事は90分おきに休憩する
- できるだけ趣味の時間をとる
- 開き直る
私もストレスを抱えやすい性格でしたので、色々な解消法を実践しました。
ストレスを抱えやすい人の特徴として、「真面目過ぎる」という特徴があるそうです。
仕事に集中しすぎず、短時間で休憩をとり、深呼吸・体操などを取り入れましょう。
別に怒られてもいいや!くらいの気持ちでいれば、少なくとも自分を犠牲にすることはないはずです。
転職エージェントと話してみたら、だいぶ楽になった。

私の経験談になります。
軽い気持ちで転職エージェントと話してみたところ、だいぶストレスがなくなったのを覚えています。
社内では大した評価を受けていませんでしたが、実は、外に出れば高く評価されることが分かったからです。
これに気付いた私は、「なんだ、辞めればいいんだ」と気が楽になり、ストレスから解放されました。
今すぐ転職せずとも、話を聞くだけでも十分ラクになります。
監査法人を辞め、転職した際のメリット

例えば私の例ですが、監査法人を辞め、コンサルに転職した事によって次のメリットが得られました。
私が転職して得たメリット
- 激務からの解放
- プレッシャーからの解放
- 常にやりがいを感じる
- 急激な成長
- 色々な仕事ができるため、常に新鮮で楽しい
- 年収が200万円UPした
コンサルは努力量に比例して感謝されるので、やりがいを感じます。
内容も会計だけでなく、税務の知識が必要とされるので、会計以外の面で大きくスキルアップできました。
結果的に、年収は700万→900万に上がりました。
監査法人を辞めて、本当に良かったと感じます。
転職先ごとのメリット
公認会計士の主な転職先は、大きく次の3つがあります。
- 事業会社(経理)
- コンサルティング会社
- 会計事務所
監査法人よりもストレスの貯まる環境はないので、どこに転職しても楽になります。
転職先ごとにどのようなメリットがあるのか、かんたんに解説します。
事業会社
事業会社に転職すると、次のようなメリットがあります。
- 激務からの解放(残業は、平均10~20時間/月)
- プレッシャーからの解放
- 作り手側の経験ができる
一番のメリットは、残業時間が激減し、プレッシャーからも解放されることです。
監査法人のように長期休暇をとることはできませんが、毎日の仕事時間がかなり減るので、身体を壊すことはまずありません。
繁忙期はありますが、会計士のように何度も繁忙期を迎えることはありません。
会計士の就職先としては最もホワイトな確率が高いです。
コンサルティング会社
コンサルティング会社に転職した場合、次のようなメリットが得られます。
- プレッシャーからの解放
- 強いやりがい
- 多方面でのスキルアップ
意外かもしれませんが、プレッシャーはほぼ無いです。
会計士のコンサル結果は、社会に公表されるものではありませんし、監査制度のように「こうしなければならない」と決まったルールはありません。コンサル会社のルールだけ守っていればOKです。
監査法人ほどではありませんが、残業時間は多くなりがちです。
ただし、『やりがい』を感じながら仕事ができるので、監査法人時代の『キツさ』『ストレス』を感じることはありません。
楽しみながら働いて、年収も結構上がるため喜びが大きいです。
会計事務所
会計事務所に転職する事で、次のメリットが得られます。
- 残業がほぼゼロ
- やりがいを感じる
- 税務・コンサルのスキルUP
規模の小さい会計事務所では、残業がほぼゼロな傾向があります。(年収は50~100万ほど下がりますが。)
一方で税務・コンサルスキルが身に着くので、キャリアアップの踏み台としては十分です。
難易度の高い仕事(考える仕事)がほぼないので、本当に楽ですよ。
監査法人を辞める流れ

監査法人を辞める流れは、次のとおりです。
- 転職エージェントに登録
- エージェントと面談
- 求人票を入手
- 直属の上司に相談
- 求人応募&面接
- 内定
- 事業部に辞表提出
- 退職&転職
転職活動は、「転職エージェントへの登録」からスタートします。
なぜなら、エージェントは登録してからでなければ求人を紹介できないからです。(守秘義務があるため)
登録してみて、仮に目を引く求人がなければ、良い求人が現れるまで待てば良いでしょう。
しかし、登録しなければ求人を入手する機会はありません。
気分転換も兼ねて、これを機に登録してみてはいかがでしょうか。
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