【TAA健保】任意継続の方法を解説します【画像付き】

公認会計士・税理士の藤沼です。

2019年に独立したので、TAA健保(税務会計監査事務所健康保険組合)の任意継続手続きをしました。

初めは国民健康保険に加入するつもりでしたが、色々調べたところ、TAA健保の任意継続が良いとの事。

結果、すごくお得でした。

これから独立を考えている公認会計士・税理士の方は、私と同じように、社会保険料を安く抑えることができるかもしれません。

独立当初は少しでも出費を減らしたいはずですから、きっと参考になるでしょう。

この記事から得られる情報
  • TAA健保の任意継続手続きのやり方
  • TAA健保のメリット・デメリット
  • 国民健康保険とTAA健保のコスパ比較

なお、社会保険の任意継続はTAA健保に限らず、どの健康保険組合でも可能です。

前職がTAA健保ではないという方は、本記事で大まかな流れを抑えて頂き、具体的な流れはご自身が加入されている健康保険組合に聞いてください。(退職日から起算したタイムリミットがあるので、早い方がいいです。)

この記事を書いた人

1986年生まれ(38歳)
公認会計士税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント株式会社 代表


目次

【TAA健保】任意継続の方法を解説【画像付き】

公認会計士・税理士が独立時した場合、健康保険として選択できるのは次のいずれかです。

  • 国民健康保険
  • TAA健保(任意継続)

独立前の職場でTAA健保に加入したため、TAA健保(任意継続)と国保のいずれかを選択することになりました。

結論部分で、この2つを比較しどちらがどのくらい有利か明示しています。

なお、任意継続の適用は最大で2年間です。

2年間を経過すると、強制的に国民健康保険へ切り替えなければなりません。

【TAA健保】任意継続の手順

手順はかんたんです。

しかし、初めての方が大半だと思うので、すこし煩わしさを感じるかもしれません。

大まかな流れは、次のとおりです。

それぞれ解説します。

① 退職する

会社を退職する際、1つだけやっておくべき事があります。

それは「退職後も任意継続の適用予定である旨を、人事担当者に伝えておく」ことです。

これを伝えずに退職した場合、任意継続の申請が遅れ、申請のタイムリミットに間に合わなくなる可能性があるからです。(詳細は後述)

② TAA健保の「資格喪失手続き」を完了してもらう

任意継続を適用するためには、一度「資格喪失」の手続きを踏む必要があります。

社会保険の資格適用の流れ
  1. 退職
  2. 会社側が資格喪失手続きを完了する
  3. 自分で任意継続手続きを完了する
  4. 資格継続

つまり「任意継続」という呼称ですが、いったん「資格喪失」をはさみます。

資格喪失手続きは前職の会社側が行いますが、この際、支給済みの健康保険証を回収しなければなりません。(回収しなければ資格喪失手続きが行えない)

そのため、注意ポイントがあります。

注意ポイント1

健康保険証は、退職後速やかに前職の会社に返却しましょう。

社会保険の任意継続には、「退職日翌日から20日以内に手続きを完了させること」というタイムリミットがあります。

健康保険証の返却が遅れると、タイムリミットに間に合わなくなる可能絵性があるでしょう。

注意ポイント2

任意継続を適用できるタイムリミットは「退職日翌日から20日以内」なので、手続は速やかに進めましょう。

たとえば、3月31日に退職したとします。

この場合、4月20日までに任意継続手続きを完了させなければならない、という事です。(4月20日を過ぎると二度と申請できません

私は、「健康保険証の返却」が遅れたことで、あやうく20日を超えそうになり焦りました。

皆さんもお気を付けください。

③ 資格喪失手続きが完了した旨を、TAA健保に確認する(電話)

「資格喪失手続きの完了」は、待っていても教えてくれません。

資格喪失手続きが完了したかどうかを知るために、TAA健保に電話で確認しましょう。(リンク先に電話番号が載ってます。)

ポイントは、必ず事前に電話で確認しておくということです。

「任意継続のために資格喪失手続きが完了したか知りたい旨」を聞けば、電話口ですぐに教えてもらえます。

注意ポイント3

この電話確認をせず、いきなりTAA健保窓口へ行き、もし「資格喪失手続き」が完了していなかった場合、無駄足となってしまいます。

必ず、先に電話で確認しておくことをオススメします。

なお、通常は健康保険証の返却から数日程度で、資格喪失手続きを完了してくれる会社が多いとのことです。(談:TAA健保職員の方)

もし返却から数日しても資格喪失手続きが完了していない場合、前職の人事担当者に連絡し、すぐに状況を確認してください。

④ TAA健保の窓口へ行く

資格喪失手続きが完了した旨を確認したら、TAA健保の窓口へ足を運びましょう。

郵送などによる申請は受け付けていないそうです。

任意継続のための必要なものは、次のとおりです。

  • 健保の初回保険料(現金)
  • 印鑑
  • マイナンバー(後で書類に記入するため)
  • 本人確認書類

初回保険料は、先述の「電話確認」の際に教えてもらえるのでメモしておきましょう。

また、被扶養者がいる方は他にも添付書類が必要になるため、組合まで事前に問い合わせて確認してください。

次に、TAA健保の場所です。

  • JR山手線「新大久保駅」より徒歩約10分
  • JR総武線「大久保駅」より徒歩約15分
  • 副都心線「東新宿駅」エレベーター口より徒歩約5分

閑静な住宅街の中にあり、一見すると分かりづらいのですが、↓の建物がそれです。

TAA健保の入っている建物

この赤いレンガ作りの建物の1Fです。

入るとすぐ受話器がありますが、すぐ電話する前に、置いてある書類に記入をします。

記入が終わったら、受話器から担当部署へ電話をします。(クライアントにお邪魔する時のようなシステム)

あとは職員から説明を受け、流れで完了します。

注意という程ではありませんが、私はこの手続きに30分近く待たされました。
時間には余裕をもって行きましょう。

以上で「任意継続」の手続きは完了です。

【TAA健保】健康保険料の納付方法

保険料の納付は少し面倒です。

具体的には、「納付日」と「納付方法」に縛りがあります。

① 納付日

保険料の納付額は、「毎月」~「1年間まとめて」まで、いくつかのプランがあります。

毎月の納付は面倒なので「1年分をまとめて」払うのも良いですが、仮に1年以内に解約した場合、未経過期間の保険料は返ってこないので注意しましょう。

私はいつ解約しても損しないように「毎月」を選びました。

この場合、納付日は「毎月1日~10日」までの間になります。

注意ポイント4

10日を過ぎると、自動的に資格喪失となるので注意しましょう。

私は一度、納付を忘れてしまったことがあります。

その際は急いでTAA健保に行き、誓約書を書くことで罪を免れました。(二度とやりません的な文章を書き、押印しました)

毎月、忘れずに納付しましょう。

② 納付方法

金融機関の窓口でのみ納付することができます。

金融機関の自動引き落としや、振込などには一切対応していないため、これが面倒です。

注意ポイント4

三井住友銀行 or みずほ銀行であれば手数料はゼロですが、その他の金融機関の場合は手数料が1,000円程度かかります。

わざわざ金融機関に出向かなければならない点で面倒です。

しかし、次の項で紹介する「メリット」が大きいので、多少の面倒は目をつぶっても良いかもしれません。

【TAA健保】任意継続のメリットとデメリット

個人的には、メリット>>>デメリット なので任意継続がおすすめです。

メリット

「保険料の安さ」が大きなメリットです。

たとえば私の場合、TAA健保と国保ではこのくらい安くなりました。

  • 国民健保:最大7~8万円/月
  • TAA健保:最大3.7万円/月

1年間で、40~50万円ほどお得です。

任意継続は最大2年間続きますので、合計80~100万円ほど節約できます。これは大きい。

国保は前年の年収をベースに保険料が算出されます。
一方、社保は退職時の標準報酬月額をベースに保険料が算出され、かつ会社負担分も自己負担になりますが、一定の上限額が定められているため、結果的に任意継続のほうが安くなる計算です。

年収などにもよるので一概に言えませんが、都内在住の公認会計士であれば、同じような結論になるはずです。

デメリット

先述したように、納付方法と納付日の縛りが煩わしいです。

私は毎月忘れないよう、カレンダーに印を付けていましたが、それでも一度納付を忘れてしまいました。

メリット・デメリットを比較

とは言うものの、任意継続によって2年間で80~100万円ものキャッシュアウトが節約できます。

これは、独立直後に収入が不安定な公認会計士・税理士にとっては、かなり大きなメリットです。

金融機関がよほどの遠隔地にない限り、任意継続を選んだ方がお得だと思います。

【TAA健保】解約方法

ちなみに、解約方法はとても簡単で、

「納付しない」

だけで良いそうです。

【TAA健保】まとめ:任意継続はお得!

以上、TAA健保のメリット・デメリットと、TAA健保の任意継続方法を解説しました。

前職でTAA健保に加入していて、独立をされる方はぜひご参考ください。

また、独立後に非常勤バイトをされる方には、監査法人での非常勤が超おすすめな理由+求人の探し方3選の記事が役に立つはずです。

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