公認会計士・税理士の藤沼です。
前職の監査法人(EY)を辞め、「ワークライフバランスが整う」と聞いていた会計事務所に転職しましたが、、、超激務だったので半年で辞めました。
(今は ワークライフバランスの良い環境で働けています。)
転職経験から得た情報を公開しますので、私のような失敗をしないためにも、ご参考いただければ幸いです。
目次
会計士のワークライフバランスが整いやすい転職先

会計士の転職先は全12種ありますが、このうちワークライフバランスの整いやすい転職先は、次の4種です。
ワークライフバランスの整いやすい転職先
- 事業会社の経理
- 上場会社の内部監査
- 一部の会計事務所
- 一部の中小監査法人
その他、全12種の転職先については「公認会計士の転職先を全て見せます」で列挙してご紹介しています。
① 事業会社の経理
最もワークライフバランスが整いやすいのが、事業会社の経理です。
その理由としては、
- 平時の残業時間が5~10時間/月程度である
- 繁閑が予め予測できるため、休暇がとりやすい
- 上場企業の場合、福利厚生がとても充実している
- 監査法人のようなピリピリ感がなく、雰囲気が良い
などが挙げられます。(あくまで全体の傾向であり、詳細は企業によって異なります)
② 上場会社の内部監査
求人数は少ない(全求人の約2%)ですが、上場会社の内部監査も 経理同様ワークライフバランスが整う傾向にあります。
ただし、他の3つの転職先に比べて「ストレス」を感じるシチュエーションは多いでしょう。
内部の他部署に対して監査を行うことは、必要以上に「部署間の調整力」が求められるためです。
③ 一部の会計事務所
会計事務所は基本的に規模が小さく、所長の意向により「残業時間」にバラツキがあります。
ただし、規模の小ささ故に「人が辞めた場合、いきなり忙しくなる」というリスクが常にあります。
内定を得た時点ではワークライフバランスが取れたとしても、その後忙しくなってしまう可能性もありますから、この点は十分ご留意ください。
また後述しますが、転職時の年収はやや下がる傾向にあります。
④ 一部の中小監査法人
実際、私が今(非常勤で)働いている監査法人も、驚くほどワークライフバランスが充実しています。
たとえば、次のような点で「ワークライフバランスが取れている」と感じます。
- 定時が6時間勤務である
- 決算以外は定時で上がれることが多い(四半期も)
- 大手監査法人特有のピリピリ感がなく、皆のびのびと働いている
中小監査法人は 海外の大手グローバルファームに所属しないことから、厳格な監査手続を求められません。
そのため、例えば 膨大な量のバウチングや、大量のテンプレートへの文書化などは求められないのです。
大手監査法人で疲弊してしまった方は、「監査=激務」という印象を抱きがちです。
しかし、必ずしもそうではありません。
ちなみに、もし私の働いている監査法人にご興味のある方は、お問い合わせいただければ(こっそりと)ご紹介することができるかもしれません。
>>お問い合わせ
年収はどうなる?

上述した4つの転職先について、それぞれ年収を比較してみます。
なお参考に、大手監査法人(アシュアランス)に転職した際の年収も併記します。
各転職先の平均年収
転職先 | 転職時の平均年収 |
---|---|
経理 | 773万円 |
内部監査 | 890万円 |
会計事務所 | 672万円 |
中小監査法人 | 770万円 |
大手監査法人(アシュアランス) | 785万円 |
会計事務所を除き、大手監査法人と遜色のない年収水準です。
内部監査は求人数が少ないため(412件中7件) あまり参考にならないかもしれませんが、「英語力」の求められるケースが多く、年収が突出していました。
次いで「経理」「中小監査法人」は同水準となりましたが、いずれも「英語力」「M&Aの経験」があると、年収は800万以上提示される傾向にありました。
一方、会計事務所では「税務」の知識が必須となることから、会計士の年収は下がる傾向にあります。(ただし、その後の昇給率は非常に高いケースあり)
その他、全転職先の年収は「会計士が転職すると、年収はいくらになる?【全業種調べてみた】」で分析・公開しています。
ワークライフバランスの整いやすい転職先の特徴

「残業時間が少ない」というのは当然ながら、そのほかに「ワークライフバランスが取れる会社の特徴」として次の3点が挙げられます。
ワークライフバランスが取れる会社の特徴
- 離職率が低い
- 月ごとの残業時間を教えてもらえる
- 女性比率が高い
① 離職率が低い
なぜか軽視される方が多いのですが、「離職率」はとても重要な指標です。
たとえば、私が今契約している中小監査法人はワークライフバランスが充実しており、ここ10年間で辞めた人は数人だそうです。
リスクを避けるのであれば必ず「離職率」を確認してください。
また、「離職率」は求人票には記載されません。
企業に直接聞くことは難しいため、内情をよく知る転職エージェントから 情報をヒアリングしてください。
② 月ごとの残業時間を教えてもらえる
「年間平均」ではなく、「月ごと」という点がポイントです。
たとえばFAS等の(比較的忙しい)コンサル会社では、スポット業務が多く発生するため、「月ごとの残業時間」は教えてもらえません。
また、月ごとに繁閑が分かるため、事前にピークの残業量をイメージできるというメリットもあります。
なお、経理は全体として残業時間が少ない傾向にありますが、たとえばファーストリテイリングを始めとするメガベンチャーの経理では、組織再編等が多いことから残業時間も多く発生します。
③ 女性比率が高い
基本的に 女性比率が高い会社は、ワークライフバランスが整いやすい傾向にあります。
制度として有給・産休が定められていたとしても、実際に利用する方がいなければ、「休みづらい」という雰囲気にもなります。
絶対条件ではありませんが、ワークライフバランスを重視するのであれば、女性比率も参考として見ておくと良いでしょう。
私が以前所属していた会社では、(全体としての女性比率は非常に高いものの)配属先部署の女性比率は低くかなりの激務でした。
ワークライフバランスの取れる転職先を探す際の「注意点」

ワークライフバランスの取れる転職先を探す際は、注意点が2つあります。
- 転職エージェントを使う
- 転職エージェントには、しっかりと「ワークライフバランスを重視したい」旨を伝える
① 転職エージェントを使う
先述のとおり、「残業時間」や「離職率」などの情報は、通常公開されません。
そのため、転職エージェントに求職者の人間性を見てもらい、「問題ない」と判断した人にだけ「残業時間」「離職率」などの詳細情報を提示します。
転職エージェントを使わなければ、企業の内情を知らないまま入社してしまう恐れがあります。
また「転職サイト」ではなく、「転職エージェント」を使いましょう。
>>関連記事:転職エージェントと転職サイトの違い
登録型の「転職サイト」では担当コンシェルジュが付かない為、企業の内情を知ることが難しいのです。
② 転職エージェントには、しっかりと「ワークライフバランスを重視したい」旨を伝える。
しかし、ワークライフバランスを重視したいのであれば、必ず・率直に伝えるべきです。
あまりストレートに希望を伝える方が少ないからこそ、希望が通りやすく、望み通りの働き方を手に入れやすくなります。
それが「ネガティブな要因」として企業に伝わることはありませんし、転職を失敗させないためにも、希望は正確に伝えましょう。
【ワークライフバランス重視】会計士の求人例
ここでは、公開されている求人の一部をご紹介します。
ワークライフバランス重視の求人例
(引用:ジャスネットキャリア)
また年収も600万以上であり、残業を含めると最低でも650万以上にはなると想定されます。
これはほんの一部の公開求人です。
転職エージェントから多くの求人を入手し、先述の確認事項をご参考に、1つ1つ潰していくと良いでしょう。
【限定】ホワイトな中小監査法人の求人データ
ここまで読んでいただいた方に、私の契約先監査法人の求人データをお見せします。
転職エージェント等にもほぼ掲載がなく、わりと希少だと思います。
【限定】求人データ
待遇など | ||
勤務地 | 雇用形態 | 給与形態 |
東京都千代田区 | 正社員 | 月給制 |
就業時間 | 年収 | 賞与 |
10:00~17:00 | 700~1,000万 | 年2回(6月/12月) |
各種保険 | 平均残業時間 | |
健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険 | 20時間/月 | |
休日、休暇 | その他 | |
完全週休二日制(土・日・祝) 有給休暇(初年度13日、最大年間30日、翌年1年間繰越可) 年末年始休暇 慶弔休暇 特別休暇 年末年始休暇 夏期休暇3日 出産・育児休暇 介護休暇 | 試用期間:あり 通勤手当:あり 残業手当:あり 昇格の有無:あり 残業の有無:あり 転勤の有無:無し 副業:認める | |
法人概要 | ||
事業内容 | 従業員数 | |
監査業務、株式上場支援、内部統制構築支援 | 70名 | |
特徴 | ||
■ 常に「人」に配慮した組織で、お互いを尊重し合って、一人ひとりが、専門家として考え、意見を述べ合う、フラットな組織体です。 ■ お互いの自由と個性が尊重される、風通しのよい職場環境が存在しております。 ■ 働くメンバーは温厚なメンバーが多く、平均在職年数も長く、離職率が非常に低いことが特徴です。 ■ 柔軟性が高く、自由な組織風土が醸成されておりますので、主体的に裁量を持って働きたいという方には特にお勧めの環境です。 ■ 大手監査法人等の監査法人からの転職組も多く在籍しておりますが、異業種からの転職など、ユニークな経歴や個性を持つメンバーが多いことも特長の一つで、個性が尊重される多様性の高い組織です。 | ||
就業時間について | ||
■ 通常期の残業はあまりございません。 ■ 繁忙期の残業はございますが、19:00~20:00頃までで帰宅するケースが多いです。 ※ 3月決算のクライアントが多く、4~5月が繁忙期となります | ||
その他要項 | ||
募集職種 | 面接回数 | |
公認会計士 監査スタッフ | 1~2回 | |
職務内容 | ||
■ 監査業務(金融商品取引法監査、会社法監査、公法人・公益法人監査等) ■ 株式公開準備 ■ 内部統制構築支援※ 兼業可能。 業務に支障のない範囲でご自身の事務所を構えて税務やコンサル業務を行うことも可能です。 | ||
必要スキル | ||
■ 公認会計士資格をお持ちの方 ■ 監査法人での実務経験を有する方(目安:2~3年程度以上) ※ インチャージ経験は不問です。 |
6時間勤務かつ残業が少なく、兼業可でこの待遇の求人は かなり好条件だと思います。
私自身もこの法人で働いてみて、(良い意味で)カルチャーショックを受けました。 とっても働きやすいです。
今の組織で疲れてしまった方には、特にオススメです。
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会計士が転職する際の転職エージェントは、マイナビ会計士1択です。
マイナビ会計士は 利用する企業がとても多いため、ワークライフバランス重視の求人数が非常に多いです。
誤った転職エージェントを使い、誤った転職先を選んでしまわないよう注意してくださいね。