公認会計士・税理士の藤沼です。
いきなりですが、厳しい事を言います。
ワークライフバランスと年収維持の両立は、無理です。
なぜこんな事を言うのかというと、これを知っていると転職が楽になるからです。
ちなみに、筆者も2018年に転職活動をしています。
その際に数多くの求人票(300件程度)を閲覧し、ある法則に気付きました。
今回はその経験に基づき、お話ししたいと思います。
会計士の転職|ワークライフバランスと年収維持の両立は無理です。
少し厳しめの言い方になりましたが、これは事実です。
先に結論を言ってしまうと、『時給が下がるから』です。
理由 :「時給」で考える
皆さんは今の自分の『時給』がいくらか、ご存知ですか?
きっとすぐ答えられる人はいないと思います。
答え
- シニア: 時給3,600円
- マネージャー: 時給4,200円
平均してこのくらいです。
計算方法は単純で、『 年収÷就業時間 』です。
ワークライフバランスを取りながら年収を維持するということは、上記の「年収」が一定で「就業時間」だけを下げるということを意味します。
すなわち、時給が上がる計算になりますね。
ここで、仮に転職後の残業時間が年間100時間になったとします。
すると、時給は以下のようになります。
- シニア: 時給4,600円(27%UP↑)
- マネージャー: 時給5,800円(38%UP↑)
ワークライフバランスを維持するということは、3割~4割、時給がアップするという事を意味するのです。
いかにハードルが高いことか、想像に容易いですよね。
これが、年収が下がる理由です。
では逆に、『時給』を維持した場合の『年収』はいくらになるか。
- シニア: 年収620万円(21%down↓)
- マネージャー: 年収720万円(28%down↓)
となります。
だいぶ下がった印象ですね。
でも実際は、もう少し高い年収を提示されることが多いです。
理由は、生活水準を引き下げることに抵抗を覚える人が多いためです。
つまり、時給自体は上がるケースが多い事になります。
なので結論ですが、ワークライフバランスを重視して転職することで、年収は下がるが時給(時間効率)は上がるという事になります。
年収が下がることによる問題点
ここまでで、ワークライフバランスを意識した転職をすることにより、時間効率が上がることが分かりました。
先にメリットをまとめます。
- 1時間あたりの給料が上がり、楽に稼げるようになる
- 残業時間が減るため、自分の時間が増える
良い事尽くしです。
しかし、デメリットもあります。
- 年収が下がるため、次に転職する場合、年収を元に戻すのが大変
これは、転職前に必ず理解しておくべきデメリットです。
もう少し具体的に解説します。
会社は、採用者の年収を前年の年収ベースで決定します。
当然ですが、会社は営利組織なので、『従業員に対する給与(費用)はできる限り削減したい』と考えています。
一方で、従業員にとっての最大のリスクは、給与を引き下げられるというリスクですから、この点は配慮されます。
ここで、ワークライフバランスを重視した転職をすることで、年収が下がります。
転職先で年収を徐々に上げれば元に戻るかもしれませんが、非常に時間がかかります。
そして、次に転職した際に年収を元に戻すことは、もっと難しいです。
例えば
転職前までは全く同じ経歴の2人がいたとします。
Aさんは年収の低い会社へ、Bさんは年収の高い会社へ転職しました。
数年後、別の同じ会社へ2人が転職を決めたとします。
問題
答え
Aさんは低い年収でも生活できていたという実績があるのですから、会社からすれば、それで満足だよねと考えます。
また、年収の高い会社で働いていたBさんの方が、仕事ができるだろうとの期待もあるはずです。
とても重要なので、事前にそのことを頭に入れておきましょう。
転職してからこのようなデメリットに気付いたのでは、時すでに遅しです。
年収を維持する方法
ここまでで『年収は下がる』とお話してきましたが、『できるだけ年収を維持する方法』ならあります。
それが、転職エージェントを利用することです。
転職エージェントは、自分に合った求人を紹介してくれるだけでなく、『年収交渉』を代行してくれます。
そのため、エージェントを利用することで平均50~100万程度、年収が上がります。
逆にエージェントを利用しない場合、低い年収で契約してしまう危険性があります。
また、登録は今しておくべきです。
なぜなら、優良な求人は早い者勝ちだから。
今すぐに転職する気がなくても、エージェントに登録しておくことで、優良な求人をストックしておくことができます。
『気が向いたら応募してみる』という選択もできるようになりますから、先に登録しておくことを強く勧めます。
なお、ワークライフバランスの取れる求人を多く保有しているエージェントは、MS-Japanです。
『管理部門』『事業会社の経理』に強く、会計士業界にも精通した中堅エージェントです。
が、こと『経理』に関しての業界知識で言えば、MS-JAPANの方が断然強いです。
残業時間の少ない求人は、本当に大人気です。
他の人に先を越されない為にも、登録しておくべきですよ。
効果的にワークライフバランスを高めよう
まとめです。
- 年収は基本的に下がる
- 「時給を上げる」というマインドが必要
- 年収が下がると、次回に転職した際の年収も低くなる
- 年収を下げない為に、まずエージェントに登録しておく
以上です。
年収が下がることによるデメリットをきちんと認識したうえで、ワークライフバランスの取れる会社に転職したいですね。
>>関連記事:もう迷わない!会計士におすすめの転職エージェント5選【立証済み】