公認会計士・税理士の藤沼です。

転職に失敗したくないあまり、転職活動に1年もかけてしまいました。

しかも、その転職すらも失敗。 本当 ダメダメです…。

そこで 今回は、私の失敗談も踏まえた「会計士の転職失敗事例」をご紹介します。

1年間集めた知識だけはあるので、転職を考えている方のご参考になれば幸いです。

特に、転職が初めての会計士の方には オススメの内容です。

 

公認会計士の転職失敗事例

公認会計士の転職失敗事例

失敗を防ぐためには「他者の失敗事例」を知るのが効率的です。

よくある失敗例を知っておくことで、事前に対策を練ることが出来ます。

失敗事例は、たとえば「OpenWorks」等の企業口コミサイトに集積されています。

「入社前と入社後のギャップ」や「退職理由」を見ることで、具体的な失敗事例を知ることができるでしょう。

しかし 企業ごとの口コミを自分で調べるには、膨大な時間がかかります。

そこで本項では、会計士の口コミに散見される失敗事例を まとめてご紹介します。

 

1.予想以上に、残業時間が多かった

予想以上に、残業時間が多かった

「求人票」を信頼しすぎてはいけません。

特に、転職が初めての方に多い傾向がありました。

「残業時間」はアテにならない


求人票には「残業時間20h/月」と書かれていたが、実際は60時間、多いときは100時間近くあった。面接時にも「ワークライフバランスを重視する」と言われたが、入社してみると、そのような意識のあるパートナーは皆無だった。

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     30代 男性事業会社(経理)勤務

求人票に書かれている「残業時間」は、業種・規模によって確度が異なります。

たとえば コンサル業界の場合、プロジェクトの数によって残業時間にバラツキが生じます。

矢継ぎ早にプロジェクトが振ってくる場合、「求人票記載の残業時間」と「実際の残業時間」には大きな乖離が生まれます。

また、そのような状況が長期的に続くこともあり、一年中忙しくなってしまう可能性があります。

これは「組織の規模」によっても変わり、例えば小さな組織の場合、急に忙しくなるケースもあることから 残業時間が大きく増える可能性があります。

そして最後に、そもそも求人票の「残業時間」は 実績 であるとは限らず、予測値を用いているケースもある点に注意してください。

会計士の我々としては「実績値」を用いてほしい所でありますが、転職業界では この辺りがアバウトです。

残業時間はあくまで目安であり、業種や企業規模などから、自分で見定める必要があります。

残業時間を見定めるポイントは、後述します。

 

2.想定どおりの経験が積めなかった

想定どおりの経験が積めなかった

私たちの転職活動は、「仕事をしながら」進めますから、中々時間が取れません。

特に「業界研究」「企業研究」は、つい不足しがちです。

業務の幅が広すぎて…


M&Aのできる会計事務所に転職した。しかし、フタを空けてみるとM&A以外のサービス(税務や監査)の比率が高く、期待していた経験ができなかった。事前に企業のサービスについて詳しく知り、どんな経験を積めるのか、もっと調査すべきだった。

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30代 男性会計事務所勤務

初めての業界へ転職する際は、調査不足により失敗するケースが散見されました。

私自身もそうでしたが、我々会計士は「会計監査」についてはプロフェッショナルであるものの、その他の領域については 全くと言って良いほど知見がありません。

特に、規模の小さな組織では「多様なキャリア」を売りにするケースも多いですが、裏を返せば「やりたい仕事に注力できない」というデメリットもあります。

業界研究は時間を要しますが、判断を誤り転職してしまった場合、数年のキャリアを無駄にする可能性があります。

また、経理のような「業務をイメージしやすい仕事」にも要注意です。

  • 経理ではない部門にローテーション異動してしまった
  • 「経理」ポジションではなく、「財務」ポジションだった

といった失敗例が散見されましたので、先入観には注意して下さい。

望むキャリアがある方は、多少手間をかけてでも、納得のいくまで情報収集すべきです。

 

3.教育制度が全くなかった

教育制度が全くなかった

大手監査法人では、(チームにより差はあるものの)年次の低いスタッフに「教える」という慣習が存在します。

しかし、全ての企業がそうではありません。

教えてくれる人がいない


中規模のコンサルに転職したが、どうも風土として「教える」という文化がない。組織としての知見を活用することができず、個々の経験値に依存しているため、未経験者の自分にとっては敷居の高い環境だった。

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30代 男性FASコンサル勤務

BIG4がファーストキャリアの会計士にとって、教育や研修は「あって当然」という認識の方も多いようです。

しかし、それは大組織ならではの特徴であり、規模が小さくなれば状況も変わります。

「マンパワーが足りず教育できない」組織や、「そもそも自分で覚えろ」というスタンスの組織まで様々です。

「教えない」という風土は、必ずしも「悪い環境」ではなく、経験値や能力の高い方にとっては、成長・アピールのできる環境と言えます。

環境へのアンマッチを防ぐために、自分の求める教育環境が 転職先の環境とマッチしているのか、正確に把握しておく必要があります。

 

4.監査よりもつまらなかった

監査よりもつまらなかった

「監査はつまらない」

よく耳にしますし、私も否定はしません。

しかし 監査法人以外に転職すれば、すべからく「面白い仕事」ができるとも限りません。

まるでバイトのようなルーティンワークが多い


「記帳代行」は難易度が低く、誰でもできる仕事である。しかし人手が足りず、伝票入力だけで1日が終わることもある。リスクはないが面白味もなく、この仕事でこれ以上成長はできない気がしている。

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20代 男性会計事務所勤務

確かに 監査法人では「会計監査」しか経験できないため、異業種へ転職することで「新たなスキル」は身に付きます。

しかし、何でも良いわけではありません。

監査以外のフィールドに期待を抱きすぎると、「まだ監査法人の方が良かった…」と感じるケースもあります。

このような失敗は、実際に業界で働いている方の話を聞くことで 防ぐことができます。

そしてオススメなのは、Twitterを活用することです。

Twitterでは 業界のリアルな情報を発信している方が多く、実は「情報収集ツール」として非常に優秀です。

Twitterに不慣れな方も多いと思いますが、30分ほど検索されるだけで、とても多くの情報を入手できるはずですよ。

 

5.組織の雰囲気が合わなかった

組織の雰囲気が合わなかった

環境は人を変えます。

「転職先で実現できるキャリア」も大切ですが、時には「転職先の環境(雰囲気)」も大切です。

変わった人が多く、やりづらい


面接での雰囲気は、柔和で優しい人が多い印象だった。しかし、配属されたチームの上司は非常に厳しく、事業部間の衝突が非常に多かった(まるで小学生の喧嘩のような場面を目にすることも)。

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30代 男性FASコンサル勤務

公認会計士を始めとする「士業」は、多少変わった人が多いです。(良いか悪いかは別として)

合わない環境にいると、それが大きなストレスとなり、またすぐに転職を余儀なくされるケースもあります。

現場の雰囲気を知る方法として、「面接での雰囲気」を参考にされる方も多いです。

しかし、面接で感じる雰囲気は あくまで「面接官としての雰囲気」であり、必ずしも「現場の雰囲気」であるとは限りません。

 

6.キャリアプランを考えずに転職してしまった

キャリアプランを考えずに転職してしまった

「転職」は、キャリアプランを形成する1要素に過ぎません。

「とにかく今の会社を辞めたい…」という気持ちで転職すると、長期的には 懸念事項が生じるかもしれません。

家族のことも考えるべきだった


今の会社に不満はないが、2年働き、自分の目指すべきキャリアではないことが分かった。この会社での経験がムダになることはないが、もう少し早く気付けば、家族に対する時間を確保できていたと思う。

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30代 男性税理士法人勤務

転職は、環境を大きく変えます。

「ビジネスマンとしての成功」だけが、キャリアプランではありません。

家族との過ごし方 や 自己研鑽など、様々な視点でキャリアを考えると良いでしょう。

なお、(これは私の持論なのですが)未来を見据えるなら、「5年後」がオススメです。

キャリアプランの形成では、よく「10年後20年後から逆算しろ」と言われます。

しかし、そんな遠い将来を予想できる人は いるのでしょうか。

私は2014年にEYに入所しましたが、まさか6年後に独立しているとは、夢にも思いませんでした。

 

公認会計士が転職に失敗しないための5項目

公認会計士が転職に失敗しないための5項目

以上の失敗事例を参考にすると、失敗しないためのルールとして、次の5項目が浮かび上がります。

 転職に失敗しないための5項目

  • 「離職率」を軽視しないこと
  • 「中小企業」には要注意
  • 情報収集は「なるだけ早く」
  • Google検索以外のツールも使うこと
  • 必ず、転職エージェントを利用すること

ゴチャゴチャしてしまい、すみません。

しかし どれも非常に大切なので、解説させてください。

 

1.「離職率」を軽視しないこと

「離職率」を軽視しないこと

「働きやすい環境」を求めるのなら、決して「離職率」を軽視しないで下さい。

求人票には、定量的なデータとして

  • 年収
  • 残業時間
  • 離職率

などが示されます。

「年収」「残業時間」は、きちんと見る方が多いです。

しかし 見落としがちなのが「離職率」。

この「離職率」がとても重要です。

当たり前の話ですが、多くの人が「働きやすい」と感じる環境であれば、「離職率」は必ず下がります。

実際、私は残業のとても少ない監査法人で  非常勤職員として働いていますが、ストレスを感じることがほとんどなく、離職率は数パーセントです。(そんな法人あるの?と驚かれそうですが、本当に実在します。)

一方、大手監査法人は離職率が非常に高く、その理由は言わずもがなでしょう。

くどいようですが、ワークライフバランスを気にされるのであれば、絶対に「離職率」を見てください。絶対です。

もし、気になった求人の「離職率」が高い場合は、理由をエージェント等に聞くようにしましょう。

 

2.「中小企業」には要注意

「中小企業」には要注意

中小企業には、次のようなデメリットがあります。

  • 研修や教育制度が整っていない
  • 残業時間のバラツキが多い
  • 業務が幅広くなる

大手監査法人のように、研修や教育制度の整った組織は まずありません。

小さな組織になると、教育できるマンパワーが残されていないケースがある為です。

また、規模が小さくなるほど 業務は幅広くなります。

たとえば、監査法人では仕事が「会計監査」に限られる点で、業務が限定的と言えるでしょう。(もちろんパートナーの日程調整など、多少の雑務はありますが)

しかし、例えば小規模な会計事務所では、「記帳代行」「会計コンサル」「監査」など、関与するサービスが多岐に渡ります。

つまり、「会計コンサルだけ」等に注力することができないのです。

身に付けたいスキルが明確(かつ限定的)な方は、大手で特化されたサービスに従事するのが向いているかもしれません。

 

3.情報収集は「なるだけ早く」

情報収集は「なるだけ早く」

(私も含めて)多くの会計士の方が 監査業界には精通しているものの、その他の業界には疎い傾向があります。

そのため、「業界研究」「企業研究」「求人収集」など、やるべき事が盛り沢山です。

※ 特に、会計士業界では(なぜか)専門用語が多く、「業界研究」には時間がかかります。
つまり 活動を始めてから転職するまでに、意外と時間を要するのです。

しかし、情報収集なしに転職はありえません。

情報不足により転職した場合、却って後悔する可能性があります。
>>関連記事:会計士 後悔【更新中】

そのため、早めに動き始めることで、転職の時期も早めることができます。

また、早めに求人を閲覧しておくことで 気持ちに「余裕」が生まれます。

エージェントに登録すると、非常に魅力的な求人を多く入手できます。

初めのうちは、焦って応募したくなるでしょう。

しかし、それは早計かもしれません。

早い段階から求人を継続的に入手しておくことで、どのような求人が「良い求人」なのか、目利きができるようになります。

そして、本当に良い求人が出たベストなタイミングで、応募すべきです。

そのためには、早めに情報収集をしておく必要があるでしょう。

転職に対するモチベーションが高いうちに、情報収集しておくことをオススメします。

 

4.Google検索以外のツールも使うこと

Google検索以外のツールも使うこと

騙されたと思って、「Twitter」を使って情報収集してみて下さい。

Google検索よりも、非常にリアルな情報が手に入ります。

これを言うと、「なんだか面倒だな…」と思われる方も多いでしょう。(私も、数年前まではTwitterを触ったことが殆どありませんでした。)

しかし、Twitterは本当にコストパフォーマンスに優れた情報収集ツールです。

「会計士の転職先」や「年収」など、一般的な情報はGoogle検索でも問題ありません。

しかし  各業種・業界の空気感や、実際に働いた人たちのナマの感想は、Google検索では中々でてきません。

Twitterは、誰でも自由に発信することのできるツールであり、「感じたこと」を匿名でかんたんに発信できます。

また Webブログ等に比較すると、ビジネス目的で発信することが難しいため、信ぴょう性が非常に高い点も特徴です。(もちろん、全てを鵜呑みにしてはいけません)

私はマーケティング会社を運営していますが、近年はGoogle検索よりも SNS検索を用いて情報収集する人が非常に増えています。

気になる業界で働いているご知人がいない方は、ぜひ、Twitterで探してみてください。 驚くほど 有益な情報を発信している方が見つかるはずです。

 

5.必ず、転職エージェントを利用する

必ず、転職エージェントを利用する

転職するためのツールは、2種類あります。

「転職エージェント」と「転職サイト」です。

両者の違いは、大きく次のとおりです。

 転職エージェント転職サイト
面接対策あり無し
キャリア相談あり無し
求人数多い少い
求人の詳細教えて貰える教えて貰えない
企業との連絡代行してもらえる直接、自分で行う
料金無料無料

「転職サイト」は いわゆる求人サイトであり、ネット上の求人票を自分で閲覧し、応募する形式です。(アルバイトの応募をイメージされると良いでしょう)

一方「転職エージェント」は、登録すると1人の専任アドバイザーが就き、最後までサポートがされます。

特に 転職活動が初めての方は、「キャリアの見直し」が必須です。

転職エージェントは  数々の転職事例を見ていますから、キャリア相談によって思いもよらないキャリアが見つかるケースがあります。

転職サイトには無い求人も、転職エージェントは保有していますから、選択肢の多さという点でも大きなメリットになるでしょう。

なお、会計士向けの転職エージェントは公認会計士がオススメする転職エージェント【比較20社】の記事でご紹介しています。

くどいようですが、転職で失敗を避けたいのなら、転職エージェントを必ず利用して下さい。

 

公認会計士の転職に適したタイミングとは?

公認会計士の転職に適したタイミングとは?

結論としては、「転職を考え始めた時」が活動を開始するベストなタイミングです。

私たち会計士の転職市場での価値は、監査経験3~4年目から大きく上昇します。

たとえば  私は監査法人歴4年目で転職しましたが、年収は200万も上がり、書類通過率は90%以上、内定率は100%でした。

>>関連記事:公認会計士が転職するタイミング【更新中】

最近では1~2年で転職する方も増えており、それでも需要が多い点は、私たち会計士の特権とも言えるかもしれません。

転職活動は、情報収集に時間がかかります。

私のように 活動に丸1年もかけてしまわないよう、すぐに動かれることをオススメします。

実は「何も行動しない」という選択自体も、(キャリアを早期に実現できないという意味で)転職失敗につながるのかもしれません。

 

公認会計士が失敗しないための転職エージェント選び

公認会計士が失敗しないための転職エージェント選び

転職で失敗しないためには、転職エージェント選びも大切です。

私は「沢山使えば、より選択肢も増える」と思い、20社の転職エージェントを使った結果、転職までに1年もかかってしまいました。

これも大きな失敗でした。

しかし 沢山使った結果、「会計士向きの転職エージェント」と「会計士には不向きな転職エージェント」がある事が分かりました。

会計士に不向きなエージェントを選ぶと、正確な業界・企業に関する情報が入手できず、最善でない転職先を選ぶ可能性があります。

なお、私のおすすめはマイナビ会計士の1択です。

唯一の会計士専門エージェントであり、求人数・サポートがNo.1だったからです。
>>関連記事:公認会計士がオススメする転職エージェント【比較20社】

不安な方は、マイナビを含めた上位2~3社に登録しておけば 盤石ですよ。

 

公認会計士の転職活動は、プロに聞くのが一番早い

まとめです。

 転職で失敗しないための提案

  • 「離職率」を軽視しない
  • 「中小企業」を選ぶときは注意
  • なるだけ早く、情報収集する
  • SNSを活用する
  • 必ず、転職エージェントを利用する

私たち会計士は 一般企業での就活経験が少なく、転職活動に不慣れな方が多いです。

そのため、情報収集に慎重になる方も多いでしょう。

そこでオススメなのが、転職エージェントを活用することです。

多くの失敗事例を見てきたエージェントなら、防止策も数多く有している為です。

一人で悩まず、転職のプロに相談されることをオススメします。