公認会計士・税理士の藤沼です。

転職に失敗したくないあまり、転職活動に1年もかけてしまいました。

しかも、その転職すらも失敗。 本当 ダメダメです…。

そこで 今回は、私の失敗談も踏まえた「会計士の転職失敗事例」をご紹介します。

1年間集めた知識だけはあるので、転職を考えている方のご参考になれば幸いです。

特に、転職が初めての会計士の方には オススメの内容です。

この記事を書いた人

藤沼 寛夫

藤沼 寛夫

35歳
公認会計士・税理士

2014年  2月 EY新日本監査法人 入社
2018年  7月 FAS系コンサル事務所 入社
2019年10月 藤沼会計事務所 開業
2020年  4月 税理士登録

 

公認会計士の転職失敗事例

公認会計士の転職失敗事例

失敗を防ぐためには「他者の失敗事例」を知るのが効率的です。

よくある失敗例を知っておくことで、事前に対策を練ることが出来ます。

失敗事例は、たとえば「OpenWorks」等の企業口コミサイトに集積されています。

「入社前と入社後のギャップ」や「退職理由」を見ることで、具体的な失敗事例を知ることができるでしょう。

しかし 企業ごとの口コミを自分で調べるには、膨大な時間がかかります。

そこで本項では、会計士の口コミに散見される失敗事例を まとめてご紹介します。

 

1.予想以上に、残業時間が多かった

予想以上に、残業時間が多かった

「求人票」を信頼しすぎてはいけません。

特に、転職が初めての方に多い傾向がありました。

「残業時間」はアテにならない


求人票には「残業時間20h/月」と書かれていたが、実際は60時間、多いときは100時間近くあった。面接時にも「ワークライフバランスを重視する」と言われたが、入社してみると、そのような意識のあるパートナーは皆無だった。

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     30代 男性事業会社(経理)勤務

求人票に書かれている「残業時間」は、業種・規模によって確度が異なります。

たとえば コンサル業界の場合、プロジェクトの数によって残業時間にバラツキが生じます。

矢継ぎ早にプロジェクトが振ってくる場合、「求人票記載の残業時間」と「実際の残業時間」には大きな乖離が生まれます。

また、そのような状況が長期的に続くこともあり、一年中忙しくなってしまう可能性があります。

これは「組織の規模」によっても変わり、例えば小さな組織の場合、急に忙しくなるケースもあることから 残業時間が大きく増える可能性があります。

そして最後に、そもそも求人票の「残業時間」は 実績 であるとは限らず、予測値を用いているケースもある点に注意してください。

会計士の我々としては「実績値」を用いてほしい所でありますが、転職業界では この辺りがアバウトです。

残業時間はあくまで目安であり、業種や企業規模などから、自分で見定める必要があります。

残業時間を見定めるポイントは、後述します。

 

2.想定どおりの経験が積めなかった

想定どおりの経験が積めなかった

私たちの転職活動は、「仕事をしながら」進めますから、中々時間が取れません。

特に「業界研究」「企業研究」は、つい不足しがちです。

業務の幅が広すぎて…


M&Aのできる会計事務所に転職した。しかし、フタを空けてみるとM&A以外のサービス(税務や監査)の比率が高く、期待していた経験ができなかった。事前に企業のサービスについて詳しく知り、どんな経験を積めるのか、もっと調査すべきだった。

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30代 男性会計事務所勤務

初めての業界へ転職する際は、調査不足により失敗するケースが散見されました。

私自身もそうでしたが、我々会計士は「会計監査」についてはプロフェッショナルであるものの、その他の領域については 全くと言って良いほど知見がありません。

特に、規模の小さな組織では「多様なキャリア」を売りにするケースも多いですが、裏を返せば「やりたい仕事に注力できない」というデメリットもあります。

業界研究は時間を要しますが、判断を誤り転職してしまった場合、数年のキャリアを無駄にする可能性があります。

また、経理のような「業務をイメージしやすい仕事」にも要注意です。

  • 経理ではない部門にローテーション異動してしまった
  • 「経理」ポジションではなく、「財務」ポジションだった

といった失敗例が散見されましたので、先入観には注意して下さい。

望むキャリアがある方は、多少手間をかけてでも、納得のいくまで情報収集すべきです。

 

3.教育制度が全くなかった

教育制度が全くなかった

大手監査法人では、(チームにより差はあるものの)年次の低いスタッフに「教える」という慣習が存在します。

しかし、全ての企業がそうではありません。

教えてくれる人がいない


中規模のコンサルに転職したが、どうも風土として「教える」という文化がない。組織としての知見を活用することができず、個々の経験値に依存しているため、未経験者の自分にとっては敷居の高い環境だった。

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30代 男性FASコンサル勤務

BIG4がファーストキャリアの会計士にとって、教育や研修は「あって当然」という認識の方も多いようです。

しかし、それは大組織ならではの特徴であり、規模が小さくなれば状況も変わります。

「マンパワーが足りず教育できない」組織や、「そもそも自分で覚えろ」というスタンスの組織まで様々です。

「教えない」という風土は、必ずしも「悪い環境」ではなく、経験値や能力の高い方にとっては、成長・アピールのできる環境と言えます。

環境へのアンマッチを防ぐために、自分の求める教育環境が 転職先の環境とマッチしているのか、正確に把握しておく必要があります。

 

4.監査よりもつまらなかった

監査よりもつまらなかった

「監査はつまらない」

よく耳にしますし、私も否定はしません。

しかし 監査法人以外に転職すれば、すべからく「面白い仕事」ができるとも限りません。

まるでバイトのようなルーティンワークが多い


「記帳代行」は難易度が低く、誰でもできる仕事である。しかし人手が足りず、伝票入力だけで1日が終わることもある。リスクはないが面白味もなく、この仕事でこれ以上成長はできない気がしている。

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20代 男性会計事務所勤務

確かに 監査法人では「会計監査」しか経験できないため、異業種へ転職することで「新たなスキル」は身に付きます。

しかし、何でも良いわけではありません。

監査以外のフィールドに期待を抱きすぎると、「まだ監査法人の方が良かった…」と感じるケースもあります。

このような失敗は、実際に業界で働いている方の話を聞くことで 防ぐことができます。

そしてオススメなのは、Twitterを活用することです。

Twitterでは 業界のリアルな情報を発信している方が多く、実は「情報収集ツール」として非常に優秀です。

Twitterに不慣れな方も多いと思いますが、30分ほど検索されるだけで、とても多くの情報を入手できるはずですよ。

 

5.組織の雰囲気が合わなかった

組織の雰囲気が合わなかった

環境は人を変えます。

「転職先で実現できるキャリア」も大切ですが、時には「転職先の環境(雰囲気)」も大切です。

変わった人が多く、やりづらい


面接での雰囲気は、柔和で優しい人が多い印象だった。しかし、配属されたチームの上司は非常に厳しく、事業部間の衝突が非常に多かった(まるで小学生の喧嘩のような場面を目にすることも)。

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30代 男性FASコンサル勤務

公認会計士を始めとする「士業」は、多少変わった人が多いです。(良いか悪いかは別として)

合わない環境にいると、それが大きなストレスとなり、またすぐに転職を余儀なくされるケースもあります。

現場の雰囲気を知る方法として、「面接での雰囲気」を参考にされる方も多いです。

しかし、面接で感じる雰囲気は あくまで「面接官としての雰囲気」であり、必ずしも「現場の雰囲気」であるとは限りません。

 

6.キャリアプランを考えずに転職してしまった

キャリアプランを考えずに転職してしまった

「転職」は、キャリアプランを形成する1要素に過ぎません。

「とにかく今の会社を辞めたい…」という気持ちで転職すると、長期的には 懸念事項が生じるかもしれません。

家族のことも考えるべきだった


今の会社に不満はないが、2年働き、自分の目指すべきキャリアではないことが分かった。この会社での経験がムダになることはないが、もう少し早く気付けば、家族に対する時間を確保できていたと思う。

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30代 男性税理士法人勤務

転職は、環境を大きく変えます。

「ビジネスマンとしての成功」だけが、キャリアプランではありません。

家族との過ごし方 や 自己研鑽など、様々な視点でキャリアを考えると良いでしょう。

なお、(これは私の持論なのですが)未来を見据えるなら、「5年後」がオススメです。

キャリアプランの形成では、よく「10年後20年後から逆算しろ」と言われます。

しかし、そんな遠い将来を予想できる人は いるのでしょうか。

私は2014年にEYに入所しましたが、まさか6年後に独立しているとは、夢にも思いませんでした。

 

公認会計士が転職に失敗しないための5項目

公認会計士が転職に失敗しないための5項目

以上の失敗事例を参考にすると、失敗しないためのルールとして、次の5項目が浮かび上がります。

 転職に失敗しないための5項目

  • 「離職率」を軽視しないこと
  • 「中小企業」には要注意
  • 情報収集は「なるだけ早く」
  • Google検索以外のツールも使うこと
  • 必ず、転職エージェントを利用すること

ゴチャゴチャしてしまい、すみません。

しかし どれも非常に大切なので、解説させてください。

 

1.「離職率」を軽視しないこと

「離職率」を軽視しないこと

「働きやすい環境」を求めるのなら、決して「離職率」を軽視しないで下さい。

求人票には、定量的なデータとして

  • 年収
  • 残業時間
  • 離職率

などが示されます。

「年収」「残業時間」は、きちんと見る方が多いです。

しかし 見落としがちなのが「離職率」。

この「離職率」がとても重要です。

当たり前の話ですが、多くの人が「働きやすい」と感じる環境であれば、「離職率」は必ず下がります。

実際、私は残業のとても少ない監査法人で  非常勤職員として働いていますが、ストレスを感じることがほとんどなく、離職率は数パーセントです。(そんな法人あるの?と驚かれそうですが、本当に実在します。)

一方、大手監査法人は離職率が非常に高く、その理由は言わずもがなでしょう。

くどいようですが、ワークライフバランスを気にされるのであれば、絶対に「離職率」を見てください。絶対です。

もし、気になった求人の「離職率」が高い場合は、理由をエージェント等に聞くようにしましょう。

 

2.「中小企業」には要注意

「中小企業」には要注意

中小企業には、次のようなデメリットがあります。

  • 研修や教育制度が整っていない
  • 残業時間のバラツキが多い
  • 業務が幅広くなる

大手監査法人のように、研修や教育制度の整った組織は まずありません。

小さな組織になると、教育できるマンパワーが残されていないケースがある為です。

また、規模が小さくなるほど 業務は幅広くなります。

たとえば、監査法人では仕事が「会計監査」に限られる点で、業務が限定的と言えるでしょう。(もちろんパートナーの日程調整など、多少の雑務はありますが)

しかし、例えば小規模な会計事務所では、「記帳代行」「会計コンサル」「監査」など、関与するサービスが多岐に渡ります。

つまり、「会計コンサルだけ」等に注力することができないのです。

身に付けたいスキルが明確(かつ限定的)な方は、大手で特化されたサービスに従事するのが向いているかもしれません。

 

3.情報収集は「なるだけ早く」

情報収集は「なるだけ早く」

(私も含めて)多くの会計士の方が 監査業界には精通しているものの、その他の業界には疎い傾向があります。

そのため、「業界研究」「企業研究」「求人収集」など、やるべき事が盛り沢山です。

※ 特に、会計士業界では なぜか専門用語が多く、「業界研究」には時間がかかります。

つまり 活動を始めてから転職するまでに、意外と時間を要するのです。

しかし、情報収集なしに転職はありえません。

情報不足により転職した場合、却って後悔する可能性があります。

そのため、早めに動き始めることで、転職の時期も早めることができます。

また、早めに求人を閲覧しておくことで 気持ちに「余裕」が生まれます。

エージェントに登録すると、非常に魅力的な求人を多く入手できます。

初めのうちは、焦って応募したくなるでしょう。

しかし、それは早計かもしれません。

早い段階から求人を継続的に入手しておくことで、どのような求人が「良い求人」なのか、目利きができるようになります。

そして、本当に良い求人が出たベストなタイミングで、応募すべきです。

そのためには、早めに情報収集をしておく必要があるでしょう。

転職に対するモチベーションが高いうちに、情報収集しておくことをオススメします。

 

4.Google検索以外のツールも使うこと

Google検索以外のツールも使うこと

騙されたと思って、「Twitter」を使って情報収集してみて下さい。

Google検索よりも、非常にリアルな情報が手に入ります。

これを言うと、「なんだか面倒だな…」と思われる方も多いでしょう。(私も、数年前まではTwitterを触ったことが殆どありませんでした。)

しかし、Twitterは本当にコストパフォーマンスに優れた情報収集ツールです。

「会計士の転職先」や「年収」など、一般的な情報はGoogle検索でも問題ありません。

しかし  各業種・業界の空気感や、実際に働いた人たちのナマの感想は、Google検索では中々でてきません。

Twitterは、誰でも自由に発信することのできるツールであり、「感じたこと」を匿名でかんたんに発信できます。

また Webブログ等に比較すると、ビジネス目的で発信することが難しいため、信ぴょう性が非常に高い点も特徴です。(もちろん、全てを鵜呑みにしてはいけません)

私はマーケティング会社を運営していますが、近年はGoogle検索よりも SNS検索を用いて情報収集する人が非常に増えています。

気になる業界で働いているご知人がいない方は、ぜひ、Twitterで探してみてください。 驚くほど 有益な情報を発信している方が見つかるはずです。

 

5.必ず、転職エージェントを利用する

必ず、転職エージェントを利用する

転職するためのツールは、2種類あります。

「転職エージェント」と「転職サイト」です。

両者の違いは、大きく次のとおりです。

 転職エージェント転職サイト
面接対策あり無し
キャリア相談あり無し
求人数多い少い
求人の詳細教えて貰える教えて貰えない
企業との連絡代行してもらえる直接、自分で行う
料金無料無料

「転職サイト」は いわゆる求人サイトであり、ネット上の求人票を自分で閲覧し、応募する形式です。(アルバイトの応募をイメージされると良いでしょう)

一方「転職エージェント」は、登録すると1人の専任アドバイザーが就き、最後までサポートがされます。

特に 転職活動が初めての方は、「キャリアの見直し」が必須です。

転職エージェントは  数々の転職事例を見ていますから、キャリア相談によって思いもよらないキャリアが見つかるケースがあります。

転職サイトには無い求人も、転職エージェントは保有していますから、選択肢の多さという点でも大きなメリットになるでしょう。

なお、会計士向けの転職エージェントは公認会計士がオススメする転職エージェント【比較20社】の記事でご紹介しています。

くどいようですが、転職で失敗を避けたいのなら、転職エージェントを必ず利用して下さい。

 

公認会計士の転職に適したタイミングとは?

公認会計士の転職に適したタイミングとは?

結論としては、「転職を考え始めた時」が活動を開始するベストなタイミングです。

私たち会計士の転職市場での価値は、監査経験3~4年目から大きく上昇します。

たとえば  私は監査法人歴4年目で転職しましたが、年収は200万も上がり、書類通過率は90%以上、内定率は100%でした。

最近では1~2年で転職する方も増えており、それでも需要が多い点は、私たち会計士の特権とも言えるかもしれません。

転職活動は、情報収集に時間がかかります。

私のように 活動に丸1年もかけてしまわないよう、すぐに動かれることをオススメします。

実は「何も行動しない」という選択自体も、(キャリアを早期に実現できないという意味で)転職失敗につながるのかもしれません。

 

公認会計士が失敗しないための転職エージェント選び

公認会計士が失敗しないための転職エージェント選び

転職で失敗しないためには、転職エージェント選びも大切です。

私は「沢山使えば、より選択肢も増える」と思い、20社の転職エージェントを使った結果、転職までに1年もかかってしまいました。

これも大きな失敗でした。

しかし 沢山使った結果、「会計士向きの転職エージェント」と「会計士には不向きな転職エージェント」がある事が分かりました。

会計士に不向きなエージェントを選ぶと、正確な業界・企業に関する情報が入手できず、最善でない転職先を選ぶ可能性があります。

なお、私のおすすめはマイナビ会計士の1択です。

唯一の会計士専門エージェントであり、求人数・サポートがNo.1だったからです。

不安な方は、マイナビを含めた上位2~3社に登録しておけば 盤石ですよ。

 

公認会計士の転職活動は、プロに聞くのが一番早い

まとめです。

 転職で失敗しないための提案

  • 「離職率」を軽視しない
  • 「中小企業」を選ぶときは注意
  • なるだけ早く、情報収集する
  • SNSを活用する
  • 必ず、転職エージェントを利用する

私たち会計士は 一般企業での就活経験が少なく、転職活動に不慣れな方が多いです。

そのため、情報収集に慎重になる方も多いでしょう。

そこでオススメなのが、転職エージェントを活用することです。

多くの失敗事例を見てきたエージェントなら、防止策も数多く有している為です。

一人で悩まず、転職のプロに相談されることをオススメします。