公認会計士・税理士の藤沼です。

転職に慎重になるあまり、実際に転職するまでに1年もかけてしまいました。

「早いほど良い」と思われがちな転職のタイミングですが、「具体的にいつがベストなの?」という疑問もあるでしょう。

そこで今回は「私たち会計士のベストな転職タイミング・時期」について、検証したいと思います。

特に 今回初めて転職を考えている方には、ご参考になると思います。

この記事を書いた人

藤沼 寛夫

藤沼 寛夫

35歳
公認会計士・税理士

2014年  2月 EY新日本監査法人 入社
2018年  7月 FAS系コンサル事務所 入社
2019年10月 藤沼会計事務所 開業
2020年  4月 税理士登録

 

会計士が転職する時期・タイミング【アンケート結果】

会計士が転職する時期・タイミング【アンケート結果】

転職の時期・タイミングは、次の2つのタイミングに分けられます。

  • 長期的なタイミング(会計士何年目・何歳ごろか)
  • 短期的なタイミング(何月ごろか等)

まずは 長期的な転職の時期・タイミングについて見てみましょう。

 

① 実務経験年数

実務経験年数については、企業側(何年目を採用したいか)と会計士側(何年目で転職したか)の両者へのアンケート調査結果(JICPA実施)があります。

下記は、両者へのアンケート結果をまとめたものです。

企業側会計士側
~3年17%14%
3~5年49%29%
5~10年28%35%
10年~6%22%
100%100%

(参考:公認会計士協会

採用側のニーズとしては3~5年の会計士に対するニーズが最も多いですが、会計士側は少し遅れたタイミングで転職する人が多いようです。

(会計士には保守的な人が多い、と言えるのかもしれません。)

また、実務経験5年を超えると企業側のニーズが減り始め、10年以上の経験者となると企業側は「オーバースペックである」と感じるようです。

そのため、実務経験が10年を超える前に転職をする、というのが転職のタイミングとしてベストと考えられるでしょう。

ちなみに私はEYを4年半で辞めてコンサルに転職したのですが、それでも「少し遅かったかな…」と感じました。

3年目と4年目では仕事内容がほぼ同様だったため、4年目に大きく成長が感じられなかったからです。(この辺りは、人それぞれかと思います。)

 

② 年齢

転職時の年齢についても、企業側と会計士側へのアンケート結果があります。

こちらも両者をまとめました。

企業側会計士側
30歳以下23%37%
35歳以下43%35%
40歳以下26%16%
41歳以上8%12%
100%100%

(参考:公認会計士協会

企業側のニーズとしては40歳以下までなら平均して高いニーズがあるものの、会計士側は35歳までに転職する人が大多数、という結果でした。

一方、40歳を超えると企業側のニーズが一気に減り、実際の求人数もかなり減ります。

転職に最適な年齢は、(実務経験年数との兼ね合いもありますが)少なくとも39歳がタイムリミットであると言えるでしょう。

会計士が転職する年齢について、詳しくは次の記事で解説しています。

 

③ 転職理由

最後に、「監査法人から転職した理由」についてもアンケート調査結果がありましたので、こちらも簡単に触れておきます。

監査法人から転職した理由

回答件数(%)
他組織・業種での仕事への興味32%
今後のキャリアアップのため29%
勤務時間の安定19%
収入の増加13%
その他7%
100%

(参考:公認会計士協会

王道となる転職理由が多数でしたが、やはり「監査がつまらない」「監査以外の経験が積みたい」というニーズが表れているように思います。

また、残業が多いのも監査法人(特にBIG4)の特徴であるため、ワークライフ改善を求めて転職される方も多いようです。

更に詳しくは、次の記事で解説しています。

 

会計士が会社を『退職』する時期・タイミング

会計士が会社を『退職』する時期・タイミング

ここからは、もう少し短期的なタイミング(何月頃?など)の視点になります。

まずは「退職」の時期・タイミングについて、4つの選択肢を解説します。

  1. 繁忙期前に転職
  2. 繁忙期後に転職
  3. ボーナス直後に転職
  4. 内定後最短で転職

 

① 繁忙期に入る前に退職

「できれば繁忙期に入る前に辞めたい」という方も 多いと思います。(私もそうでした)

極論を言えば、3月末に退職することも可能です。

ただし、2月に入って急に「来月辞めます」というのは、、、、さすがに問題視されると思います。

会計士業界はとても狭いため、転職後、前職の同僚が入社してくる、なんてこともあります。

私も転職先にEY時代の同僚がいましたし、独立後、非常勤で勤務した中小監査法人にはEY時代の同期が3人もいました。(同じ部署の先輩も2人いた)

転職後に揉めるような事態を避けるためにも、3月末(繁忙期直前)に辞める場合、半年くらい前までに退職を伝えておくのがベターであると思います。

ただしこの場合、内定先の会社に入社時期を交渉する必要がありますので、この点もご注意ください。(詳しくは後述)

 

② 繁忙期を終えた後に退職

チームメンバーに退職の意を伝えると、「繁忙期までは手伝ってほしい」と懇願されることがあります。

もちろん、法的には従う必要はありませんが、先述のとおり同僚との関係性が悪くなるリスクも多少あるかもしれません。

会社を穏便に退職したい方は、繁忙期後(6月)に転職する選択肢もアリでしょう。

ちなみに、6月末にボーナスを支給する会社は多いと思いますので、「ボーナスを受け取れる」というメリットもあります。

 

③ ボーナスを貰った直後に退職

金銭的な損を避けるのであれば、ボーナスを貰ってすぐ辞めるのが良いタイミングだと思います。

通常は6月及び12月(法人によっては9月も)が賞与支給月だと思いますので、その月の末日に辞めるのが効率的です。

ちなみに、私も6月末にEYを退職しました。

1つ注意点として、「ボーナスの支給条件」は予め確認しておきましょう。

支給日に在籍していれば満額ボーナスが受け取れる、という認識の方もおられると思いますが、組織によっては「支給日後、〇〇日間在籍していること」といった条件が付されているケースがあります。

この場合、支給日直後に退職してしまうと、後にボーナスを返還しなければならない可能性があります。

結構な額を損する可能性がありますので、給与規定を予め確認しておくべきです。

 

④ 内定が出たら最短で退職

私の周りでも最も多いのが、最短(内定後1~2ヶ月)で辞めるケースです。

結局、転職先との入社時期の交渉で揉める可能性があるため、さっさと辞める方が多いようです。

転職時期が繁忙期直前でない限り、今の会社から反発を受けることはまず無いと思います。

(「職業選択の自由」は日本国民全員に認められた権利ですので、そもそも反発すること自体がおかしな話だと思います)

 

会計士が転職先に『入社』する時期・タイミング

会計士が転職先に『入社』する時期・タイミング

次に 「入社」のタイミングについて、その選択肢を解説します。

なお、ベストなタイミングで「退職」するか、ベストなタイミングで「入社」するか、は好みの問題だと思います。

ご参考までに、私は「退職日」の方に重きを置き、EYの繁忙期後かつボーナス受給後(6月末)に退職をしました。

内定は1月に出ていたため、半年間待ってもらってから入社、という流れでした。(FAS業界は入社まで長期間待ってもらえるケースが多い)

 

① 同期入社の多い時期に入社

もし横のつながりを求める場合には、同期入社の多い時期に入社すると良いでしょう。

会計士業界では新卒採用(4月入社)が少ない傾向にありますが、資格試験の合格発表のタイミングであれば、比較的横のつながりは増えることになります。

同期入社の多い時期

  • 監査法人:2月
  • BIG4のアドバイザリー:2月
  • 税理士法人:10月又は2月

※税理士は試験実施月の8月、または合格発表月の12月に就活をスタートする方が多いため、入社月が10月又は2月に集中する傾向があります。

 

② 繁忙期前、又は繁忙期後に入社

もう1つの入社のタイミングとして、企業の繁忙期前または繁忙期後に入社する、という選択肢が考えられます。

「早めに繁忙期を経験したい」場合には繁忙期前(1~2ヶ月前)に入社し、「1年かけて少しずつ業務を覚えたい」場合には繁忙期後に入社すると良いかもしれません。

ただし 特に事業会社などの場合、入社日をこちらで決定できない(長くても1ヶ月先まで等)ケースが多いため、採用面接の時期を逆算しておく必要があります。

 

③ 退職後、期間を空けてから入社

退職後1ヶ月ほど期間を空けてから入社する、という選択肢もあります。

会社と入社時期が折り合わないケースの他、退職後「少し休みたい」という理由により、自ら空白期間を作るケースです。

転職活動をしてみると分かりますが、私たち会計士にとって、多少の空白期間はマイナス評価をあまり受けません。

ただし、人によってはマイナスイメージを持つ方もいるはずですから、その後さらに転職をする場合にリスクになる(可能性がある)ことは事前に認識しておきましょう。

 

有効求人数が最も多いのは何月?

有効求人数の推移(月次)

(参考:厚生労働省「一般職業紹介状況 – 労働市場関係指標」より作成)

上記は、直近10年間における「月ごとの有効求人数推移」です。

新卒者やパート従業員の採用は除き、シンプルに「転職者」への求人数推移を示しました。

業種によって採用時期は異なりますが、一般的には、2月~3月及び9月~11月に求人数が増える傾向にあります。

逆に、1月と5月は求人数が最も少ない時期になるため、この時期に求人を探すのは非効率とも言えるかもしれません。

しかし、MinとMaxの開きは9%程度であり、そこまで月を気にする必要はないかな…と思います。

結局のところ、良い求人は季節など関係なくすぐに埋まってしまう為、「継続的に求人を入手し続ける」ということの方が大切だと思います。

 

会計士の転職スケジュール

会計士の転職スケジュール

転職活動のスタートからゴールまで、流れを確認します。

ちなみに、転職活動(活動を始めてから内定を得るまで)は平均2ヶ月で終わると言われていますが、これは完全に人によると思います。

準備(情報収集など)に時間をかければ、その分活動期間は長くなりますし、元々知識のある方ならもっと早く終わります。

 

① 情報収集・自己分析・スキルの棚卸

まずは「どのような転職先が存在するのか?」といった、私たちの選択肢に関する情報を集める必要があります。

転職先の種類については、以下の記事が参考になると思います。

また、自己分析+スキルの棚卸を行い、自分にマッチした転職先を考える必要があります。

その際は、転職エージェントによる「カウンセリング」を受けることをオススメします。

私が初めて転職した際は、自分でも気づかないような深層心理が発掘され(大げさではなく)感動を覚えました。

第三者と話すことで「客観的に見た自分の武器」も明確になり、面接でのアピールでも大きく役立ちました。

 

② 書類選考に応募

書類選考では、次の2つの書類が求められます。

  • 履歴書
  • 職務経歴書

履歴書・職務経歴書は、一度作成してしまえば、ほぼアレンジすることなく複数の企業に応募できてしまいます。(志望動機の部分だけアレンジが必要)

履歴書・職務経歴書の書き方については、次の記事で解説しています。

私が転職時に提出していた職務経歴書をそのままアップロードしたので、適宜アレンジしてもらうと、作成時間を短縮できると思います。

 

③ 面接

面接は1回で終わるケースもあれば、2次まで実施されるケースもあります。

面接でよくある質問については、次の記事でまとめています。

関連記事:面接(更新中)

 

④ 内定

実際に面接を受けてみると分かりますが、30代までの会計士であれば、カンタンに内定が出ます。

私も5社の面接を受け、5社全てから内定が出ました。(決して、私が優秀なわけではありません)

基本的には選びたい放題ですので、逆に言えば、内定が出る前提で応募をしたほうが良いと思います。

滑り止め感覚で受けるのも良いのですが、内定が出ても蹴ることになりますので、時間がもったいないかなと思います。

 

⑤ 条件の交渉

内定後、「事前に提示されていた年収よりも高くする」といった交渉(年収交渉)が可能です。

自分で直接交渉するのはハードルが高いため、年収交渉は転職エージェントに代行してもらうのが一般的です。

私の場合、初めに提示された年収は600万(残業代は別)でしたが、交渉によって700万まで上がりました。(ゴネ得…。)

求人への応募から条件交渉までは、2~3週間以内に完結します。

そのため、(面接対策なども大切ですが)転職活動で最も重きをおくべきは、情報収集や自己分析だと思います。

 

⑥ 退職

必ず、内定が出た後に退職届を提出してください。

(内定前に退職届を提出してしまうと、万が一内定が出なかった場合、リスクが残ります。)

組織にもよると思いますが、私がEYを退職した時は、

退職届の提出(Webのシステム上で申請&書面を社内便で提出) → グループ長と面談

という手続きが必要でした。

リモートワークが進んだ今では、電話で退職の意思を伝えるだけで良い、という組織も多いです。

ちなみに、民法上は原則として退職の2週間前までに退職の意を伝えることで、会社を退職することが認められています。(民法第627条1項)

そのため、万が一 会社側から「退職届を受理しない」と言われたとしても、意を伝えた時点で退職は可能です。

 

⑦ 入社

これで転職は終わりです。

以上の流れは、ほぼ全てを転職エージェントが請け負ってくれます。

そのため、こちらから会社に対してアクションを起こすことは、(求人への応募を除いて)ほとんどありません。

求人検索から報酬交渉まで、全て自分で行うのはとても非効率ですので、オススメはしません。

 

会計士が転職活動を始めるべき時期・タイミング

会計士が転職活動を始めるべき時期・タイミング

先述のとおり、求人に応募してからはトントン拍子に進み、あっという間に内定が出ます。

そのため 転職で失敗しないためには、応募前の準備となる「情報収集」「自己分析」に時間をかける必要があると思います。

自己分析であれば、いつでもスタートできるでしょう。

一方で、「求人情報」は流動性が高いため、良い求人からどんどん消えていきます。

そのため、「求人の入手」については、できる限り早い時期からスタートすべきだと思います。

今すぐ転職しないとしても、転職エージェントや転職サイトに登録しておき、自分に合う求人をピックアップできる体制を作っておくと効率的です。

面倒かもしれませんが、今から転職エージェントを活用することをオススメします。

 

 

会計士におすすめの転職エージェント

会計士にオススメの転職エージェント Top 3

No.1 マイナビ会計士
業界最大手! 会計士向けの求人数はNo.1
No.2 Rexアドバイザーズ
会計士・税理士に強い。 カウンセリングが魅力的
No.3 ジャスネットキャリア
士業に特化したエージェント。 コンサル系に強い

会計士が転職する場合は、マイナビ会計士1択です。

なぜなら 唯一の会計士専門エージェントであり、私たちのキャリアに最も精通しているからです。

転職活動は 働きながら進めることになるため、効率が大切です。

質の低い転職エージェントを利用しないよう、ご注意ください。