公認会計士・税理士の藤沼です。
転職してみて分かりましたが、会計士資格は文字どおり最強だと感じました。
そこで今回は、なぜ会計士が転職で最強と言われるのか、その理由を5つ解説します。
私自身はEY新日本監査法人を4年5ヶ月で退職しましたが、もう少し早く辞めても良かったな…と感じています。
目次
会計士は転職先の選択肢(種類)が非常に多い

会計士が転職で最強といわれる理由の1つ目は、「転職後の年収の高さ」です。
会計士は専門職でありながら、その後のキャリアが非常に幅広い、という特徴があります。
転職先の種類 | 求人数の割合 |
---|---|
経理 | 36.4% |
税理士法人 | 17.5% |
国内系FAS | 14.7% |
経営企画 | 7.2% |
監査法人(アシュアランス) | 5.1% |
会計事務所 | 4.9% |
監査法人(アドバイザリー) | 4.2% |
ベンチャーCFO | 2.5% |
内部監査 | 2.4% |
PEファンド | 1.9% |
投資銀行 | 1.8% |
戦略コンサル | 1.0% |
その他 | 0.5% |
計 | 100% |
(データソース:マイナビ会計士求人検索システム)
職種によって求人数にバラつきはあるものの、これら12種の選択肢があるのは、私たち会計士にとって大きな魅力です。
監査法人内で働いていると、なぜか「監査しか道がない」と思いこんでしまう会計士も多いのですが、そんなことはありません。
むしろ、会計士のキャリアの中で「会計監査」は全体の5%程度なのです。
なお、会計士の転職先について、詳しくは次の記事で解説しています。
会計士は転職すると年収が上がる【データ分析】

会計士が転職で最強といわれる理由の2つ目が、「転職後の年収の高さ」です。
下記のデータは、公認会計士向けの求人票約4,000件を抽出し、職種ごとに転職時の平均年収、および中央値を示した表です。
業種 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
ベンチャーCFO | 956万円 | 1,000万円 |
監査法人アドバイザリー | 909万円 | 1,000万円 |
内部監査 | 890万円 | 775万円 |
経営企画 | 801万円 | 797万円 |
監査法人アシュアランス | 774万円 | 750万円 |
経理 | 773万円 | 780万円 |
国内系FASファーム | 771万円 | 750万円 |
税理士法人 | 718万円 | 725万円 |
会計事務所 | 672万円 | 625万円 |
戦略コンサルタント | N/A | N/A |
投資銀行 | N/A | N/A |
PEファンド | N/A | N/A |
(データソース:マイナビ会計士求人検索システム)
※ 戦略コンサル・投資銀行・PEファンドは求人数が少ないためN/Aとしていますが、年収1,000万以上の求人が大半でした。
これは、監査法人での経験が希少であり、他業種から高く評価される為です。
一方、税務分野は税理士の主戦場であることから、税理士法人・会計事務所では(転職時は)一時的に年収が下がる傾向にあります。
ただし、上記はあくまで「転職時」の年収です。
これは会計事務所・税理士法人(中小)でも同様であり、たとえば会計事務所に転職した私の同僚会計士は、転職後3年で年収が1,000万を超えました。
また私自身も、EYを4年で辞めたときの年収は720万でしたが、FASに転職した年の年収は900万まで上がりました。
なお、会計士が転職した後の年収について、詳しくは次の記事で解説しています。
会計士は働き方を選べる【ワークライフバランス】

会計士が転職で最強といわれる理由の3つ目は、「働き方を選べる」という強みです。
特に、結婚や出産などのライフイベントを機に、残業の少ない会社に転職したいと考える方が多いようです。
そんな時にも、会計士には選択肢が豊富にあります。
全体の約10%と割合は少ないものの、数自体は豊富と言えるはずです。
バリバリ働くことだけが私たち会計士の働き方ではないと思います。
なお、ワークライフバランスを取り戻せる転職先については、次の記事で解説しています。
会計士は30代までなら転職市場は超売手

会計士が転職で最強といわれる理由の3つ目は、「転職市場でのニーズが豊富」という点です。
ご存知のとおり、現状BIG4への就職は簡単です。
しかし、その後の転職活動はもっと簡単です。
私はEYでの監査経験しかなく、英語力はほぼゼロ(TOEIC350点)、突出したスキルもありませんでしたが、そんな私でも市場ニーズはかなり強いと感じました。
30代後半からはマネジメント経験も求められるようですが、大半の方は主査経験があるはずですから、ボトルネックにはならないでしょう。
よほど専門性の高い職種でない限り、ほぼ希望した企業に入社できるはずです。
【最強】非常勤職員という選択肢もある

会計士が転職で最強といわれる理由の5つ目が、「非常勤」という選択肢です。
転職以外に非常勤(アルバイト)という選択肢も残されているのが、公認会計士資格の強みでしょう。
たとえば私は、独立後に中小監査法人で非常勤職員として 年間60日ほど 働いていました。
単純計算、200日働けば年収1,000万です。
しかもアルバイトですから、責任も課されません。
会計士資格があれば、多少経歴に空白期間ができたとしても、どうにでもなります。(開業していた、自己研鑽していた等、いくらでも言い訳が作れる)
これも私たち会計士ならではの選択肢であり、「会計士が転職で最強」といわれる所以の1つと言えるでしょう。
公認会計士が転職をさらに有利に進めるコツ

転職市場で高い評価を得られる会計士ですが、さらに転職活動を有利に進めるコツを紹介します。
- 最適なタイミング
- 最適な方法
① 転職に適した時期・タイミング
転職市場では高く評価される会計士ですが、「転職をより有利に進めるための時期・タイミング」があります。
結論から言えば、「実務経験3年以上」かつ「35歳まで」が、転職市場で最も高く評価される時期です。
なぜなら、求人情報は水物であり、継続的に求人情報を入手し続けることで「魅力的な求人」をピックアップできるからです。
② 転職活動をさらに有利に進める方法
絶対に、「求人サイト」を選んではいけません。
転職活動をする際は、必ず「転職エージェント」を選びましょう。
なぜなら、夫々のサービスが無償で受けられる為です。
転職エージェントから受けられるサービス例
- キャリアカウンセリング
- 書類添削・面接練習
- 非公開求人への応募
- 年収交渉の代行
私もそうでしたが、初めての転職活動は分からない事だらけです。
「会計士」を専門とする転職エージェントもありますから、まずは、プロから情報収集するのが最も効率的です。