公認会計士・税理士の藤沼です。
会社員が辛くなり、フリーランスになりました。
「会計士でフリーランスって、リスクが高そう…」
そう思った方は、もったいない。
非常にメリットが多いのです。
本記事を読むメリット
- フリーランスになる メリット・デメリット が分かる
- フリーランスでの成功のコツが、ちょっとだけ分かる
あまり知られない「フリーランスとしての生き方」について、(自慢できるような物ではありませんが)お話したいと思います。
目次
会計士がフリーランスとして働く道、アリなの?

一番の疑問。
それは 、
という事。
よく聞かれます。(そして、たまに好奇の目で見られます)
結論としては、大アリです。
むしろ「なぜみんな会社辞めないの?」とさえ、本気で思っています。
運もあると思いますが、年々、1人で事業を拡大できています。
2022年現在で、年収は会社員時代の3倍くらいになりました。(特別、私が優秀なわけではありません)
公認会計士資格を取得すると、なぜか皆さん、会社にしがみつきたがりますよね。
謎です。
リスク…? ほとんどありません。(詳しくは後述します)
かんたんに経歴紹介

先に、カンタンに経歴紹介します。
私の経歴
- 2014年 – 2018年:EY新日本監査法人
- 2018年 – 2019年:東京共同会計事務所
- 2019年 2月 :フリーランスになる(事務所開業)
- 2020年10月 :法人設立(主にFASを受託)
2022年現在、35歳、妻がおり、子供はいません。
EYに入社したのが2014年2月でしたので、ちょうど会計士歴5年でフリーランスになりました。
紹介はここまでです。
次に、フリーランスになって得たメリットをお話します。
会計士がフリーランスになるメリット

結論としては、ストレスが無くなって年収上がりました。
ちょっと乱暴なので、もう少し細分化します。
会計士がフリーランスになって得たメリット
- クライアントを自由に選べる
- 時間に拘束されない
- ストレスほぼゼロ
- 年収が上がった
- 何もしなくても良い
現在進行形で、毎日実感しています。
これは自慢でもなんでもなく、誰でも、フリーランスになれば(会計士なら)皆さん得られるメリットです。
1つ1つ解説します。
① クライアントを自由に選べる

私は経験があります。
「パワハラ」「クレーマー」に直面したことが、何度も何度も。
それでも、組織の構成員として、丁寧に対応しなければなりません。
採算が悪ければ、断れば良いのです。
口うるさければ、契約を切れば良いのです。(実際、私はそうしてます)
事業規模が大きくなると「風評」とかを気にしますが、「フリーランス」くらい規模が小さいと 風評なんかどうでも良い話です。
自分の伸ばしたいスキルに注力できますから、スキルアップにもなり、一石二鳥です。
会社員だったら、やりたくない仕事でも 完遂しなければなりません。
② 時間に拘束されない

フリーランスになると、時間を全てコントロールできます。
その結果、次のような効果が得られました。
時間をコントロールできるようになった結果
- いつでも休める
- 平日、昼まで寝れる
- 平日、夜更かしできる
- 平日、役所・銀行に行ける
- 平日、遊びに出かけられる
- パジャマで仕事できる
- どこでも仕事できる
- 昼食後、すぐに歯磨きできる
- 妻の仕事が遅い日は、代わりに料理を作れる
- 移動時間が減少
- いくらでも副業ができる
ダメ人間(遊んでばっかり)に見えるかもですが、、、正直な感想です。
さらに本音を言うと、私は「ラク」がしたくてフリーランスになりました。
会社を辞めて2年経ちますが、今も楽して生活しています。
もし、私と同じような発想をお持ちの会計士の方は、すぐにでもフリーランスになる事をオススメします。
仕事・年収については後述します。
③ ストレスほぼゼロ

私にとって 一番のメリットでした。
自由に環境を選べるフリーランスは、「人間関係でのストレス」がほぼゼロです。
上下関係もないため、上司からのプレッシャーを感じることもありません。
もちろん、(先述した理由により)嫌なクライアントもいません。
気乗りしなければ 仕事を休めますから、体力もあまり使いません。
④ 年収が上がった(2年目から)

2018年、会社員時代の年収は900万ほどでした。
2019年、フリーランス1年目の年収は600万ほど。
2020年、フリーランスでの年収は1,000万を超えました。
2022年現在、フリーランスとしての年収は2,000万を超えました。
会計士がフリーランスになるなら、非常勤は必須です。
私の場合、時給7,000円 で非常勤をしており、1日は働けば(残業なしで)5万円です。
実際にもらった給与明細(勤務日数は5日)

たった5日で、額面25万円です。
2年目で本業も安定してきたため、非常勤と合わせると年収は 1,000万 を超えました。
(勝手な想定ですが、4年目で年収3,000万を目指しています。)
そんな感じで、フリーランスになってもある程度稼げてしまうのが、公認会計士の良いところです。
⑤ 何もしなくても良い

「今の環境が嫌だから、とりあえず会社を辞めたい」
そんな方も多いと思います。(特にBIG4勤務の方)
普通の会社員なら、(転職せずに)会社を辞めただけでは「フリーター」と呼ばれます。
事実、(税務署に提出する開業届とは別に)会計士協会に対し、個人事務所名で開業申請を出すのですから。
もちろん実態は何もしていないのですが、世間的には、それで通用します。
仮に、たとえば半年後 就職先を探す際にも、「会計事務所をやっていた」と言い張ることができます。
フリーランスという選択肢は、「とりあえず休みたい」という方にもオススメです。
>>無料でREXアドバイザーズから非常勤求人を入手する。
会計士がフリーランスになるデメリット

結論としては、フリーランスは超おすすめです。
しかし、デメリットもあります。
フリーランスになって感じたデメリット
- 賃貸物件の審査に落ちる可能性がある
- 運動不足になる
- 1年目は収入が安定しない
年収については一番気になる点かと思いますので、「クライアント獲得の手段」なども後述しています。
① 賃貸物件の審査に落ちる可能性がある

私は、2020年10月に 事業を法人化しました。
法人税法では、自宅を法人名義で賃借し、役員(自分)に貸し付けることで社宅扱いにできます。
ざっくり、年間25万円程度の節税を見込んでいました。
そこで私は、法人契約可能な物件を探したのですが、すべて審査落ちでした。
特にフリーランス1年目は、審査が非常に厳しいそうです。(通常、過去2年分の納税証明書を求められます。)
② 運動不足になる

監査以外は、ほぼ家(または近所のカフェ)に籠りっきりのため、運動不足になります。
一般企業でも、コロナ禍により在宅ワークが増えたため、フリーランス特有のデメリットではないかもしれませんが。
ただし、時間に余裕のあるフリーランスですから、スキマ時間に散歩したりジムに行ったりすることで解消できます。
③ 1年目は収入が安定しない

監査のアルバイトを除けば、1年目は収入が安定しません。
どんなビジネスにおいても、初月から好調、なんてことは無いのです。
ただし 一度顧客を獲得し、一連のサービスを提供できてしまえば、あとは横展開するだけです。
私が2年目に大きく所得を増やせたのも、それが理由です。
では次に、クライアント獲得の手段をご紹介します。 何かヒントになれば幸いです。
会計士がフリーランスになり、クライアントを獲得する手段

フリーランスになると、仕事はもはや「何でもアリ」です。
会計税務以外にも、(アイデアさえあれば)どんなビジネスもできます。
しかし、そんな方ばかりではないと思うので、「会計事務所として」クライアントを獲得する手段もご紹介します。
会計事務所としてのクライアント獲得手段
- 前職からの紹介
- 税理士登録する
- セミナーを開く
- HPを作成し、自ら集客する
- 監査法人の非常勤職員になる(オススメ)
このうち、私が最も効果を感じた(直接、売上になった)のは「監査法人の非常勤バイト」です。
では1つ1つ解説します。
① 前職からの紹介

前職で大した成績を残せなかったので、、、当然ですね。
そのため、私はこの方法でクライアントを獲得していません。
会計事務所から独立された方などは、(初めの数年は)紹介で契約を獲得し → 口コミ等から直接契約を増やす という流れが一般的です。
② 税理士登録する

私は、税理士登録をしています。
所属は「東京税理士会本所支部」です。
1件あたりの契約報酬は、そこまで大きくありません。
しかし、積み上げると 大きくなります。
- 5万円/月 の顧問契約 × 10件 = 月50万円の安定収入
顧問契約は、(よほどの悪さをしない限り)切られることがありません。
この「安定収入」は、精神衛生的にも非常に良いです。
ただし、税務の経験がない方にはややハードルが高いかもしれません。
③ セミナーを開く

たとえば「経理実務の学校」というページでは、普通に講師を募集しています。
講義内容は自由に指定でき、得意かつ需要のあるジャンルで講義を行います。
セミナー講師をすると、クライアント予備軍と直接コンタクトを取ることができるため、それが仕事に繋がりやすいでしょう。
ちなみに(私の場合)契約では、セミナーの売上がすべて講師に入る契約でした。
その代わり、講義はすべて自分で準備しなければなりません。
④ HPを作成し、集客する

会計士は「営業」を苦手とする方が多いです。
しかし HP(ホームページ)を作ってしまえば、Webサイトが代わりに集客します。
Web制作にはSEO/セールス等、専門的なスキルを要しますが、Web制作代行会社も数多く存在します。
私もWeb制作事業を少しやっており、会計事務所のHPを作りたい方向けに、無料でサービスしています。
運用はご自身でやって頂きますが、ご興味のある方はお問い合わせください。
>>お問い合わせ
⑤ 監査法人の非常勤職員になる(オススメ)

フリーランスになるなら、非常勤は必須です。
中小の監査法人には、本業で会計事務所を運営している会計士 が多く働いています。
私自身も例外ではなく、顧問+タイムチャージの契約を得られました。
勤務日数に制限を設けない法人もありますから、時間を拘束されることも まずありません。
また、「メリット」でもお話したとおり、監査はとても美味しいバイトです。
会計士同士のコミュニティができ、クライアントも得られ、生活できるだけの収入が得られます。
フリーランスになるなら、非常勤はマストです。
会計士がフリーランスとして成功するコツ(ご参考程度に…。)

ちょっとだけ、偉そうなことを書かせてください。(申し訳ありません)
そもそも 私がこの記事を書いたのは、会計士の方に「もっと自由な発想を抱いて欲しい」と思ったのがきっかけです。
もしそうなら、私は「もったいない…!」と思ってしまいます。
よく考えて頂きたいのですが、この世に存在するビジネスは、会計・税務だけではありません。
多種多様なビジネスが存在し、会計・税務以外でも、稼げるビジネスはたくさんあるのです。
公認会計士資格を取得したら、当然ですが、会計・監査のスペシャリストを目指します。
これは間違いではありません。
しかし ある程度キャリアを積むと、年収はさほど伸びなくなり、仕事量・ストレスが増加し始めます。
これは、会計・税務のスペシャリストが多いからです。(つまり、供給が満たされている)
これからは、会計・税務とは全く関係のない、別のスキルを身に付けるのもアリだと思います。
今の会社で疲弊しているなら、「フリーランス」という選択肢はアリです。
まとめです。
- フリーランスになると、ストレスはほぼゼロ
- 年収は、1年目は安定しない
- 監査のバイトは必須
特に、監査法人の非常勤はビックリするほど美味しいです。
まだ在職中の方も、求人だけは先に見ておくと良いですよ。
このような高時給の求人は、公開後すぐに埋まってしまうため、継続的な求人収集が大切です。
ちなみに、私が非常勤求人を探した時は、「REXアドバイザーズ」という転職エージェントを使いました。
以上、フリーランスになった会計士として、体験談をお話してみました。
ストレスのない生き方を考えている方には、とってもオススメです。