公認会計士・税理士の藤沼です。

32歳でEYを退職し、コンサルティング会社に転職しました。
その後33歳で独立し、今に至ります。

今回は、会計士が転職する年齢に関して、アンケート結果と考察について解説します。

結論としては、「3年以上の監査経験を積んだら、早い段階で転職すべき」です。

もちろんケースバイケースですので、その細かな点も含めて、解説したいと思います。

この記事を書いた人

藤沼 寛夫

藤沼 寛夫

35歳
公認会計士・税理士

2014年  2月 EY新日本監査法人 入社
2018年  7月 FAS系コンサル事務所 入社
2019年10月 藤沼会計事務所 開業

 

会計士が転職する「年齢」【アンケート結果】

会計士が転職する「年齢」【アンケート結果】

実は、JICPAが過去に企業・会計士を対象に、アンケート調査を実施しています。

まずは企業を対象とした「年齢」に関するアンケート結果を見てみましょう。

 

① 『企業』が採用したい会計士の年齢

 企業が採用したい公認会計士の年齢

企業が採用したい公認会計士の年齢

(引用:日本公認会計士協会

ご覧のとおり、「35歳以下」と回答した企業が全体の約半数でした。

つまり、企業の半数は「35歳までなら会計士を採用したい」と考える傾向となりました。

一方で、「50歳以下」「60歳以下」と回答した企業は全体の約7~8%であり、大半の企業は40歳以下(20代~30代)の会計士を求める傾向でした。

では次に、「会計士側」は実際に何歳で転職できているのか、こちらもアンケート結果を見てみましょう。

 

② 『会計士』が実際に転職した時の年齢

 会計士が実際に転職した時の年齢

会計士が実際に転職した時の年齢

(引用:日本公認会計士協会

内訳に多少のバラツキはあるものの、40歳以下(20代~30代)で転職している会計士が大半という結果になりました。

40歳以上で転職する会計士の割合が若干(企業側のニーズよりも)多いため、40歳を超えるとやや悪い条件を飲んで転職する会計士が多いのでは、と考えられます。

 

③ (参考)試験合格者の転職時の年齢

なお、ここまでのアンケート結果は「実務経験があること」が前提となっています。

たとえば、論文式試験に合格したばかりの会計士試験合格者(準会員)の場合、企業が採用したい年齢は次のとおりです。

 (参考)企業が採用したい「試験合格者」の年齢

(参考)企業が採用したい「試験合格者」の年齢

(引用:日本公認会計士協会

※ 採用企業に監査法人は含まれていません。

一般企業が会計士試験合格者を採用する場合、「30歳まで」と考える企業が全体の8割となる結果でした。

 

会計士が転職する「実務経験年数」【アンケート結果】

会計士が転職する「実務経験年数」【アンケート結果】

転職には年齢も関係しますが、会計士としての「実務経験年数」も重要です。

なぜなら、実際の求人では「実務経験〇〇年以上」など、一定の実務経験年数を求めるものが多いからです。

こちらも、JICPAによるアンケート調査結果があります。

 

① 『企業』が採用したい会計士の実務経験年数

まずは、企業側の採用ニーズから見てみましょう。

 企業が採用したい会計士の実務経験年数

企業が採用したい会計士の実務経験年数

(引用:日本公認会計士協会

「3年以上」という実務経験を求める企業が、全体の半数近くという結果でした。

「実務経験には具体的にどのような経験が含まれるのか」という問題がありますが、この点は当該アンケートで言及されていません。

実際に求人を見てみると分かりますが、具体的に求められる実務経験は「職種」や「企業」によって異なります。

たとえば上場経理の場合、実務経験=監査経験となるケースがほとんどです。

一方で 投資銀行・PEファンドなど専門性の高い職種では、監査経験のみでは厳しく「FASでの経験」が3年以上求められるケースが多く散見されます。

まとめると、転職先によって求められる経験は異なるものの「3年程度は実務経験を積んでから転職して欲しい」と考える企業が多い、という結果でした。

 

② 『会計士』が実際に転職した時の実務経験年数

一方で、会計士が実際に転職した際の実務経験年数は、次のとおりです。

 会計士が実際に転職した時の実務経験年数

会計士が実際に転職した時の実務経験年数

(引用:日本公認会計士協会

面白いことに、企業側が求める実務経験年数よりも、やや多めに経験してから転職する会計士が多いようです。

これは私の憶測になりますが、会計士は保守的な方が多いことが理由かな、と思っています。

私自身、EYで働いていた時はなんとなく「監査法人で働き続けることが良いことである」と思っていた節があります。

ただ 実際にはそんなことはなく、むしろ転職した方が監査以外の経験値を身に付けることができ、ビジネスマンとしての視野が大きく広がると思います。

話が逸れてしまったため、ここでまとめると、ややオーバースペックで転職する会計士が多い一方で、企業側のニーズでは「もっと少ない経験値でも良い」という傾向にあることが分かりました。

 

会計士が転職できる年齢のタイムリミットは?

会計士が転職できる年齢のタイムリミットは?

先述のアンケート結果から、39歳までが転職における1つのタイムリミットと言えるでしょう。

一応アンケートでは「40歳以下」なので40歳も含まれますが、実際の求人を見ればわかる通り、「~39歳まで」という年齢制限を設けている企業が多いです。

もちろん、転職を重ねてキャリアアップをされている方は、40歳を超えても転職可能です。(転職というよりも、ヘッドハンティングが多い)

ただし 30代までと比べると、求人数はガクッと減るため注意して下さい。

 

会計士が「未経験」の分野に転職できる年齢のタイムリミットは?

会計士が「未経験」の分野に転職できる年齢のタイムリミットは?

39歳までは転職が容易とはいえ、「39歳で全くの未経験分野に転職する」というのはやや厳しいものがあります。

先述のとおり、企業側は会計士に「3年程度」の実務経験を求める傾向にあります。

そのため 逆算すると36歳までに未経験業種を経験しておき、3年の経験を積んだ上で、当該経験を活かして39歳で転職をする、というのが1つの目安になると思います。

もちろん これはあくまで目安です。

将来の転職計画をイメージするために、ご参考いただければと思います。

 

会計士が転職を意識するシチュエーション

会計士が転職を意識するシチュエーション

会計士が転職を意識したシチュエーション・転職理由についても、JICPAのアンケート調査結果があります。

ここでは、代表的な転職理由を確認してみましょう。

 

① ライフイベント

結婚や育児を機に、転職を意識される方は多いです。

特に女性の場合、「出産後も働き続けることができるか」という視点が大切です。

BIG4では育休制度などが十分に整っているものの、復帰後忙しくなることに変わりはないため、公私ともに安定できる職場への転職を考える方が多いようです。

 

② 肉体的・精神的な疲弊

BIG4では職務でのプレッシャーが強く、繁忙期における精神的・肉体的な負担が大きいため、転職を考える方が多いようです。

特に、年齢を重ねた時に「今の働き方で大丈夫なのか」という不安を感じ、早めに転職を意識される方も多いと思います。

私自身もあまり体力のある方ではなかったので、早めに転職を意識していました。

 

③ 飽き・将来への不安

特に監査法人では、平時の業務はルーティン化されています。

新人の頃は見るもの全てが新鮮でしたが、大体3~4年経つとチーム・業務が固定化され、毎年同じような作業の繰り返しになります。

一方、たとえばFAS等では業務がプロジェクト単位(1~2ヶ月で完結)で遂行されるため、ほぼ毎月新しいクライアントに関与します。

私もFASコンサル会社に転職しましたが、「仕事の面白さ」という点で大きく改善されました。

 

④ キャリアアップ

アンケート結果で最も多かったのが、「異業種への興味」や「キャリアアップ」を目的とした転職でした。

監査だけが会計士の仕事ではなく、むしろ監査以外の仕事の方が世の中には溢れています。

若いうちに監査以外の経験を身に着けておくと、その後のキャリアの選択肢が大きく広がります。

私自身も、FASに転職したことで独立をすることができました。

早い段階でキャリア設計をしておくと、失敗のない人生設計ができると思います。

 

【年齢別】会計士が転職を考える際の軸

【年齢別】会計士が転職を考える際の軸

会計士の転職先は、全12種もあります。

転職する際には、人によって「重視したいこと(軸)」が異なります。

特に、年齢によって転職先の選び方が異なる傾向にありますので、ここでは転職時の軸を年齢別にご紹介します。

あくまで全体の傾向ですので、目安として捉えて頂けると良いと思います。

 

① 20代の会計士

20代で転職をする場合、(よほど専門性の高い業界でない限り)求人に応募をすれば、100%に近い割合で内定が出ます。

まだ体力がありますから、新たな分野に挑戦すべき年齢です。

この先30~40年働くことになりますので、できるだけ「将来性を広げる方向での転職」を意識されると良いでしょう。

そのため、たとえば「内部監査」「小規模な会計事務所」「フォレンジック」辺りは、あまりオススメできません。

新たな知見が身に付き、かつその知見がその後のキャリアアップに役立つ、ということが非常に重要です。

 

② 30代の会計士

30代で転職をする場合にも、監査経験があれば(よほど専門性の高い業界でない限り)求人に応募をすれば、100%に近い割合で内定が出ます。

ただし、30代に入ると将来的なライフイベント(結婚など)が想定され、また40代以降での働き方を見据えることになるため、ややセーブできる転職先を探される方が多いです。

もちろんバリバリ働く方もいますが、(30代後半に入ると)ワークライフバランスを求め、経理や中小監査法人に転職される方の割合が多い印象です。

 

③ 40代の会計士

40代で転職をする場合、組織でのマネージメント経験が求められます。

また 体力的な不安から、経理などの残業の少ない転職先を求める方が多いです。

ただし、40代に入ると求人数が一気に少なくなりますから、「今回の転職が最後である」と考え、転職される方が多いようです。

関連記事:40代(更新中)

 

会計士が転職活動をスタートすべき年齢は?

会計士が転職活動をスタートすべき年齢は?

おそらく今私の記事を読まれている方は、遅かれ早かれ、近い将来に転職されると思います。

なぜなら、いずれ監査以外のフィールドの魅力に気付くからです。

私は仲の良いEY時代の同期が10人ほどいますが、今では全員が転職し、全員が「転職して良かった」と口を揃えます。

もちろん、私もそう感じます。

そして、転職活動を始める年齢は「今」だと思います。

なぜなら、キャリア構築が早いほど、やりたい事に最短距離で進むことができるからです。

もちろん 転職に適した時期は人それぞれですが、早期に「情報収集」しておくことで、キャリアの失敗を防ぐことができます。

 

会計士が転職活動を始める際、おすすめの転職エージェント

会計士にオススメの転職エージェント Top 3

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No.2 Rexアドバイザーズ
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近々で転職をするつもりがなくとも、早期にカウンセリングを受けることで、キャリアの見方が大きく変わるでしょう。

少なくとも、私は変わりました。