公認会計士・税理士の藤沼です。

近年、監査法人を辞め「企業内会計士」として働く方が増えているそうです。

理由を調べてみると、企業内会計士には3つのメリットがあることが分かりました。

そこで今回は、企業内会計士に転職した時の「年収」のほか、メリット・デメリットをお話したいと思います。

監査法人・税理士法人のほかにも、公認会計士としてのキャリアは沢山あります。

私が企業内会計士に転身した話なども踏まえ、キャリア選びの参考になれば幸いです。

 

企業内会計士とは?

企業内会計士とは?

「企業内会計士」とよく表現されますが、正式名称は「組織内会計士」です。

意味はイメージされている通りだと思いますが、念のため、定義を掲載しておきます。

「組織内会計士」とは、日本公認会計士協会の会員及び準会員のうち会社その他の法人(監査法人、税理士法人及びネットワークファームに該当する法人を除く。)又は行政機関に雇用され、又はその業務に従事している者(役員(※)に就任している者を含む。)をいいます。

引用:日本公認会計士協会 組織内会計士ウェブサイト

要約すると、「監査法人・税理士法人以外に所属する会計士」です。

つまり「公認会計士事務所」「税理士事務所」等に勤務する会計士も、すべて「企業内会計士」に含まれます。

 

企業内会計士の年収

企業内会計士の年収

結論から言えば、企業内会計士の方が年収は高いです。

どのくらい年収が増えるのか?

実際に調べてみました。

 転職した場合の年収

年収
企業内会計士767百万円
監査法人・税理士法人741百万円

実際に、約400件の公認会計士向け求人をすべて集計した結果です。(独自集計)

年収はほぼ変わらずですが、26万円ほど、企業内会計士のほうが高いです。

職種ごとに年収が大きく異なるため、詳細は会計士が転職すると、年収はいくらになる?【全業種調べてみた】をご覧ください。

 

また、公認会計士協会の実施したアンケートでも、「監査法人退職時よりも、現在の方が年収が高い」という結果がでています。(引用:公認会計士協会 組織内会計士に関するアンケート

 

2020年9月アンケート(退職時と現在の年収)

企業内会計士(組織内会計士)の40%が、年収1,000万~2,000万に到達しています。

「監査法人を辞めると年収が下がる」

と思っていた方も多いと思いますが、むしろ年収は上がります。

※ ただし、公認会計士協会の年会費は負担されないケースがあります。

 

企業内会計士になると、CPE単位はどうする?

監査法人・税理士法人の職員でなくなった場合にも、原則、CPE単位は取得する必要があります。

大手監査法人では「法人内の e-ラーニング」を視聴することで、単位を取得できました。

この点、監査法人・税理士法人を退職した場合にも、協会のe-ラーニングを受講することで単位が取得できます。

しかし、もう少しラクに取得する方法があります。

それが「読書感想文」です。

これについては具体的な取得方法を【画像付き】CPE単位の取り方を解説【監査法人退所後のCPE】でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

この方法を使うと、約15分で1単位取得できます。

そのため、CPEに関してそこまで心配する必要はありません。

 

なお、「会計監査・税理士業務・会計税務コンサル」などの公認会計士業務に従事しない場合、CPE単位の軽減・免除制度があります。

  • 名刺等で「公認会計士」の資格を使用していない場合:全単位免除可
  • 名刺等で「公認会計士」の資格を使用している場合:20単位を上限に軽減可

CPE ONLINEから 毎年一定の時期に申請する必要がありますので、この点はお忘れなく。

 

公認会計士協会の「組織内会計士ネットワーク」に入会してみた感想

公認会計士協会の「組織内会計士ネットワーク」に入会してみた感想

「組織内会計士ネットワーク」をご存知でしょうか。

私自身も  この記事を書くまでは知らなかったのですが、色々調べていて存在を知りました。

組織内会計士ネットワークとは、JICPAが組織内会計士の組織化を目的として作ったネットワークです。(リンクをクリックすると、公式ページにジャンプします)

実際私も会員になってみたのですが、、、正直、私はあまりメリットを感じませんでした。

というのも、「活動報告」を見ても、ほとんどが「研修会のお知らせ」だからです。(すべてCPEオンラインから見れます)

例外として、「年1回の先述のアンケート」と「年1回の新年交流会」がありますが、そのくらいです。

SNS形式の交流スペースなどがあれば嬉しいのですが、残念ながらそのようなサービスはありません。

ちなみに「組織内会計士ネットワーク」は、公認会計士 or 準会員なら誰でも入会できます。(申請の審査に2~3日かかります)

 

企業内会計士になるメリット

企業内会計士になるメリット

私自身も監査法人からFASに転職しましたが、とても多くのメリットを享受できたと感じます。

 企業内会計士になるメリット

  • 新たなスキルが得られる(キャリアアップ)
  • 年収が増加する
  • ワークライフバランスが改善されやすい

 

① 新たなスキルが得られる(キャリアアップ)

「監査法人」・「税理士法人」を除くと、私たち会計士の転職先は9種あります。

 組織内会計士としての職種は9種

  1. 経理部(事業会社)
  2. 経営企画部(事業会社)
  3. 内部監査部(事業会社)
  4. ベンチャーCFO(事業会社)
  5. 国内系FAS
  6. 会計事務所
  7. PEファンド
  8. 投資銀行
  9. 戦略コンサル

得られるスキルとしては、大きく「会計」「税務」「ファイナンス」の3種に分けられます。

いずれも「監査」とは異なり、企業側の立場で(もしくは近い立場で)仕事をするため、強いやりがいが得られるのも特徴です。

各職種ごとに特徴を掴んでおくことで、より良いキャリアを見つけておきましょう。

 

② 年収が増加する

会計士の場合、そこまで「年収」に拘る方は多くありませんが、実際年収は上がります。

私が転職した際も、年収はほとんど見ていませんでしたが、結果的に転職したことで 700万→900万 に増えました。

事業会社では福利厚生もありますから、額面には表れない部分でも、恩恵が得られる可能性があります。

 

③ ワークライフバランスが改善されやすい

監査法人所属の会計士は、マネージャーになるにつれてワークライフバランスが取れなくなります。

しかし。

なんとも酷い話ですが、パートナーに上がると、むしろワークライフバランスが改善されるようです。

このアンケート結果を見れば、それは明らかです。(アンケート対象は 多くが大手監査法人の職員)

 

監査法人所属の会計士のワークライフバランス引用:JICPA 「組織(企業)内会計士に関するアンケート最終報報告書」の公表について

(色々思う所がありますが、存在を消されそうなので、これ以上は何も言いません…。)

昔は誰でもパートナーに上がれたそうですが、最近はかなり厳しい。

そのため、企業内会計士に転身することで、ワークライフバランスを改善する方が多いそうです。

一方、下記は 「企業内会計士のワークライフバランス」 についてのアンケート結果です。

 

組織内会計士のワークライフバランス引用:公認会計士協会 組織内会計士に関するアンケート

監査法人内で「ワークライフバランスが取れている」と回答したのが30~40%前後であるのに対して、企業内会計士で「ワークライフバランスが取れている」と回答したのは約70%。

実に2倍もの方が、ワークライフバランスを改善させていることが分かります。

監査法人内の労働環境は、正直、あまり良いものではありません。

実際に事業会社の求人を見てみると、「残業なし」という求人も結構見かけます。

残業時間を減らし、新たなスキルを身に付けたい方は、今のうちに情報収集しておくことをオススメします。

>>マイナビ会計士なら、無料で求人票を入手できます。

良い求人ほど、すぐに募集終了しますからね。

 

企業内会計士になるデメリット

企業内会計士になるデメリット

メリットばかりにも見えますが、企業内会計士にはデメリットもあります。

 企業内会計士になるデメリット

  • 情報のキャッチアップを自分で行う
  • 監査経験がない場合、正当な評価を得られない可能性がある

 

① 情報のキャッチアップを自分で行う

監査法人・税理士法人では、事務局が「会計・税務に関する情報」をタイムリーに知らせてくれます。

関連するニュースを逐一チェックしてくれるため、自分で調べる必要はありませんでした。

しかし 企業内会計士に転職すると、その機会が減る傾向にあります。

もちろん、企業によってはニュースレター等発信してくれる組織もありますが、漏れが発生するケースもあるでしょう。

そこで、多少自分で情報をキャッチアップする必要が出てきます。

私の場合は、TKCエクスプレスというメールマガジンに登録し、情報をキャッチアップしていました。

上場会社の経理部に転職した場合は、自社の監査法人から情報を得るのが効率的です。

 

② 監査経験がない場合、正当な評価を得られない可能性がある

先述のアンケートでは、「採用者側の懸念事項」として、「会計士をどのように評価して良いか分からない」という回答が多くありました。

 

上場会社として採用する場合の懸念事項

会計士よりも試験合格者の方が「専門性の評価が困難」とされ、監査経験の有無が評価に影響を与えることが分かります。

もし監査経験がない場合には、知人からの紹介や転職エージェントを介することで、正当な評価を得られるような工夫が必要になります。

>>マイナビ会計士なら、無料で求人票を入手できます。

 

企業内会計士を目指す人にオススメの転職エージェント

企業内会計士への転身を考えている方には、マイナビ会計士という大手エージェントへの登録がおすすめです。

私たち会計士のキャリアに強く、転職時に利用することで有利になるからです。

会計士用に強い転職エージェント Top 3

No.1 マイナビ会計士
業界最大手! 公認会計士の採用に強く、求人数はNo.1
No.2 ジャスネットキャリア
士業に特化したエージェント。 会計事務所・コンサルに強い
No.3 MS-Japan
管理部門に特化したエージェント。 事業会社に強い

実際、私もマイナビを使って転職をしました。

失敗なく人生を決めるためにも、キャリアについては必ず、プロの専門家に相談してください。

無料で適性診断もできますから、きっと良い転職先が見つかるはずです。