公認会計士・税理士の藤沼です。
監査法人を退職し、独立のかたわら 監査法人で非常勤をしています。
月に16日働けば、年収1,000万です。(残業なし)
ご存じの方も多いと思いますが、非常勤はかなり稼げます。
更に、メリットは金銭面以外にもあるのです。
そこで今回では、「監査法人の非常勤がオススメな理由」と「高時給の非常勤の探し方」をご紹介します。
想定読者
- 会計士として独立されている(又はその予定の)方
- 女性会計士の方
- ストレスのない仕事がしたい会計士の方
また、記事の情報を担保するため、「私が非常勤職員として勤務したときの給与明細」も掲載しました。
>>私の給与明細にジャンプ
実際に働いてみると良いことばかりでしたので、同じ会計士の方へ情報共有したいと思います。
目次
監査法人での非常勤が超オススメな5つの理由

私が監査法人で非常勤として働いてみたところ、5つのメリットを感じました。
監査法人非常勤のメリット5つ
- 給料(時給)が2倍になる
- 拘束時間が短い
- 人間関係がフラット
- 主査を任されない
- 人脈が広がる
もちろんデメリットもありますので、そちらも後述します。
メリット① 給料(時給)が2倍になる

ご存知の方も多いと思いますが、監査法人の非常勤は給料が非常に高いです。
以下の図は、2022年現在での「東京都内にある監査法人の非常勤時給単価」です。(15法人で比較)

(元データ:マイナビ会計士求人検索システム)
監査法人によっては時給単価に幅をもたせている法人(たとえば時給6,000円~8,000円など)もありますが、ここでは低い方の金額を集計しています。
グラフから分かる通り、各社 4,667円/時~8,571円/時 と幅があり、平均すると 時給6,469円 という結果になりました。
上記は簡易的な集計ですので、きちんと探せば、もっと時給の高い監査法人が出てくるはずです。
私が見た中で 最も時給単価が高かったのは、「10,000円/時」というものでした。(人気だったのか、すぐ掲載から消えてしまいまいたが)
【給与明細】私の場合は、このくらい貰っています。
ちなみに、私が非常勤をして得たお給料(1月分)は、このくらいです。

※ 法人を特定できる可能性のある個所にはマスキングをしています。
上記は、実際に私が 時給7,000円 で 5日間 働いた月の給与明細です。(雇用契約で非常勤として働いているため、源泉分が差し引かれます)
なお、私の契約している法人ではランチ代(1,400円まで)も出ます。
正社員(EY)時代は、2,000時間働いて年収720万円でした。
時給に換算すると3,600円になるので、当時の 約2倍 稼げている計算になります。
また、繁忙期となる4月の給与は次のとおりでした。

14日 勤務して、額面は 77万円 でした。(1日6時間勤務、残業は1日2時間以内)
かなり美味しいと思います。
残業時間もかなり少ないため、体への負担もほぼありません。
メリット② 拘束時間が短く、負担が少ない

私の契約している法人もそうですが、非常勤職員は基本的に「拘束時間が短い」という特徴があります。
正規社員の方々がチームを主導し、非常勤職員はそれに従うといったスタッフ的な役割がメインのため、残業時間少ない傾向にあります。
また、非常勤職員は時給単価が高いですから、法人としては「あまり残業をさせたくない」というのが本音なのだと思います。
BIG4では残業が多い傾向にあるようですが、中小監査法人なら環境が異なり、たとえば定時が6時間だったり「残業ゼロ」の契約ができたりと様々です。
残業時間を抑えたい方は、BIG4よりも中小監査法人がオススメです。
メリット③ 人間関係のストレスが少ない

非常勤で働いていると、人間関係のストレスをほとんど感じません。
EYで正社員で働いていた頃は、チーム内のいざこざやパワハラ等、人との距離が近いことによるストレスを感じていました。
しかし、非常勤になるとチームとの関係が(良い意味で)希薄になり、ストレスがほとんど無くなりました。
ストレスなく働きたい方には、非常勤という働き方がとてもオススメです。
メリット④ 主査を任されない

基本的に、主査(インチャージ)は常勤の会計士が担当します。
そのため、非常勤の会計士はスタッフ業務に専念でき、これがとても気楽です。
たとえば、次のような作業は任されません。
やらなくて良い作業(例)
- パートナーの日程調整
- チームメンバーのアサイン調整
- 監査計画の立案
- 監査調書のレビュー
- 審査
- 必要以上のコミュニケーション
- 飲み会
マネージメント・審査関連の作業が不要ですので、振られた作業だけをこなせば問題ありません。
必要以上に責任が求められないため、家に帰った後に「あの部分大丈夫かな?」と心配するようなこともなくなります。
もちろん、後輩の育成なども不要です。
責任の軽い仕事をしたい方にも、非常勤という働き方はオススメです。
メリット⑤ 人脈が広がる

特に 独立されている方のメリットになるのが、人脈形成です。
非常勤職員が多い監査法人の場合、同じように独立されている会計士の方が多く在籍しています。
たとえば私の場合、監査法人つながりで新しい契約を頂いたことがあり、逆に私の事務所の仕事を別の会計士に依頼したこともあります。
独立初期は、自ら仕事を取ることが本当に大変です。
実際に稼いでいる会計士と仲良くなることで、仕事の取り方や契約書の作成など、経営実務を学ぶことができますので、非常に有益な経験になります。
監査法人で非常勤をすることのデメリット

監査法人で非常勤職員として働くことのデメリットは、「契約が1年更新である」という点です。
形式的には「業務委託契約」が基本になりますので、契約を切られることが有り得ます。
ただ、実際のところ契約を切られた方を見たことがないため、可能性としては低いと思います。
結局どの監査法人も人手不足ですので、契約解除というケースは非常に限定的です。(貸与PCを失くしたり、クライアントを喪失させた、等のようなケース)
また、監査法人によっては非常勤契約を「雇用契約」として締結する法人もあり、このような場合には契約を切られることはまずありません。
非常勤契約をするなら、絶対「中小監査法人」がオススメ

非常勤先の監査法人を選ぶ際は、大手監査法人よりも中小監査法人を選んだほうが絶対に得です。
中小監査法人を選ぶべき2つの理由
- 時給単価が非常に高い
- ムダな作業が少ない
実際に求人を見れば明らかですが、BIG4よりも中小監査法人の方が、時給単価が断然良いです。
大手監査法人が時給4,000円~5,000円であるのに対して、中小監査法人では平均6,500円、高い法人だと時給10,000円です。
私も中小監査法人で非常勤をしていますが、BIG4特有のピリピリとした空気がなく、ストレスをほとんど感じません。
ただし「リモートワーク」に対応していない法人もありますので、「リモートで仕事をしたい」という方は 求人を選ぶ際にご注意ください。
監査法人の非常勤求人の探し方【3選】

監査法人の「非常勤の求人」の探し方には、次の3種類があります。
非常勤を募集している監査法人の探し方
- JICPA Career NAVIで探す
- 知人の会計士に紹介してもらう
- エージェントを使う(オススメ)
① JICPA Career NAVIで探す
こちらは、日本公認会計士協会が提供するサービスです。
公認会計士または公認会計士準会員(会計士補)であれば、登録作業を完了させた後に利用することができます。
手順は、以下の通りです。
- JICPA Career NAVIにアクセス
- 左のメニューにある「登録がまだの方」というボタンをクリック
- 「個人情報保護」の確認項目にチェックを入れ、次に進む
- 各種情報を入力し、完了。
これで、日本公認会計士協会が提供する求職情報を閲覧できるようになります。
ただし、デメリットとして「求人数が非常に少ない」という欠点があります。
② 知人の会計士に紹介してもらう
もし、ご知人に非常勤として働いている会計士がいる方は、紹介してもらうのもアリだと思います。
すでに内部で働いている人の「生の声」はとても参考になりますから、契約後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。
それは、面接に進んでしまうと(紹介してもらった手前)断りづらい、という点です。
ご知人を頼られる際は、事前に内情をしっかり聞かれた方が良いと思います。
③ エージェントを使う(おすすめ)
一番オススメなのが、「転職エージェントを使う」という裏ワザです。
と 疑問も持たれるかもしれませんが、実は、転職エージェントでは「監査法人の非常勤求人」も取り扱っています。
転職エージェントはほぼ全ての監査法人と契約しているため、「非常勤の求人」についても網羅しています。
ちなみに、私が利用して一番良いと感じたのは「マイナビ会計士」という転職エージェントでした。
最大手のエージェントであり、高単価の求人がかなり多かったからです。
もちろん無料でしたので、非常勤先を探されている方は、必ず利用すべきです。
まとめ:監査法人の非常勤は、楽に稼げる。

まとめです。
- 監査法人での非常勤は、ストレスフリーでかなり楽
- 給料が2倍になる
- マイナビ会計士を使うと、簡単に求人が見つかる
以上です。
働き方を自由に選択できるのが、私たち会計士の特権だと思います。
時給の高い非常勤求人はエージェントだけが保有していますから、登録して求人を入手されることをオススメします。